Date:08/1/30

1800年代の後半に発見された石版レリーフがあります。そこに描かれていた船をみて、「これは戦いに使われた船ではないか?」という好奇心が芽生えた。それがマルコ・コバウだったのです。「それでは、その時代の船を実際に作ってみようじゃないか」と思ったのですが、この絵をそのまま題材に船を作ろうとはしませんでした。

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エンジニアの彼は、当時の船に関するさまざまな資料を読み込み、そして設計図をひいたのです。できあがった図面を上の写真の絵に重ね合わせると、なんと一致したのですねぇ。すごい。「アーティストが描く絵なんて信用できるかい!」とはっきりは言いませんでしたが(笑)、エンジニアの心意気です。

使われた木材は現在のノヴィラーラ周辺にはない木です。もっと高度のある場所の木です。しかし、2800年前の気象条件を考えると、 理論的に問題ない・・・・こういうアプローチを色々とやっていくわけですよ。ここで実に興味深いのはお金の出所です。彼が引き出してきたのはEUです。が、実験考古学という名目ではない。それは意外なカテゴリーでした。

Date:08/1/29

1983年、アメリカズカップにイタリアチームが初参加し、なんと一挙に3位に入りました。アッズーラという名前の船です。これを実際に作ったのがマルコ・コバウ。最速を争うレースで生き抜いてきた人ですね。

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こういう世界は、まあ、自動車のF1レースでご存知のように、神経をピリピリとさせるわけですが、戦いの後は美女やシャンパンが似合うようなイメージがあります。僕の勝手な想像かもしれませんが・・・まあ、クルーはどうか分からないけど。そういうところに、こういう船をもってくるとどう思いますか? 下の写真です。

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「えっ!!」とびっくりしますよね。「なんなんだ、これは。バイキングの船か??」って。違います。これは2800年前に航海した船です。バイキングは7-8世紀以降ですから、この船はそれより1500年以上は古く、まだローマ時代にもなっていない時代です。実は、これはマルコ・コバウが建造した船です。でも、どうして、彼はこの船を作ったのでしょう・・・・。

Date:08/1/28

イタリアのアドリア海沿いにノヴィラーラという街があります。小さな中世の城郭都市です。古いものを今にあわせないといけません。したがって、いかにして外観で歴史を維持し、塀の内側で現代を語るか。これが建築家の仕事の醍醐味の一つになります。これまで何度もお邪魔したことがありますが、この正月明けにも滞在したお宅が以下です。

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およそ500年前にできたこの家の壁にもたくさんの歴史がつまっていました(いや、「います」という表現が正しいかも)。フレスコ画、馬つなぎの留め金具、パン焼き炉の穴・・・・そしてファシスト時代のピストル! それもドイツ製です。戦時中、ドイツ兵の宿舎になったことがあり、ファシスト党の党員だった当時の家主が記念にもらったものです。

なぜ、壁に隠したかって? 政権が崩壊した後にファシスト狩りがはじまりました。「こらぁ、お前、ファシスト党員だったんだろう。このピストルがいい証拠だ」と睨まれるのが怖く、旧家主が壁に隠したのです。それを40数年後、新家主が発見。悪いことはできません・・・・。

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上左の写真は門のレベルから一段下がった庭に降りる階段です。この庭の下には、幅90センチ、高さ2メートルの洞穴があります。中世の街では珍しくない網の目状の地下道が、ここにもあります。近くの大聖堂までリンクしているのではと聞くと、もうワクワクしますねぇ。

今週の話は、このノヴィラーラを舞台に展開します。 2800年前、ここは海賊の基地だったと考えた人がいるんですよ。それも髭もじゃの考古学者(あっ、ヤコブ・ビルさん、失礼!)ではなく、アメリカズカップに出場するヨットを作った人が、そう言ったのです。

 

 

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