メトロクスのイタリアの旅 の記事

Date:08/10/27

古いデザインを長く作り続け、新しいデザインにも果敢に挑戦している。フラビアもそういうメーカーです。今回、7月にも書いた(下記)、お互いに受け入れ可能な品質のレベルに関して話し合うをするため、あらためて工場の内部を見学しました。

http://milano.metrocs.jp/archives/269

長い歴史のなかで作られてきた型が所狭しと並んでいます。特に印象的であったのは、作業をしている人たちが、年寄りすぎず、若過ぎず、しかも、彼らの表情が大変明るかったことです。

職人の世界のはじき出るような強さが、どうもその明るさの裏づけとなっているような気もします。このフラビアについても、B-LINE同様、まとめた紹介をしていこうと思います。下の写真はフェラーリのマークがついたプレートを作っているところです。

Date:08/10/24

メトロクスが取引するメーカーにもいろいろありますが、基本的に古いデザインと新しいデザインの両方をカバーしています。ジョエ・コロンボのBOBYを生産しているB-LINEは、スーパーレッジェーラやボネットの復刻版だけでなく、若手デザイナーの作品も扱っています。セラミックのフラビアも同様です。フォルナゼッティやソットサスを作る一方、カリム・ラシッドのデザインも発表しています。また、他方、古いデザインへの要望が強く、結果的に古いデザインがメインとなっているメーカーもあります。ソットサスのウルトラフラーゴラなどを作るポルトロノーヴァが一例です。

下坪さんとぼくは、こういうメーカーを巡りながら、世界各国のマーケットでの販売状況を知るだけでなく、次の新商品開発計画を聞いていきます。古いデザインの場合、デザイナーの「生誕〇〇年」「没後〇〇年」というケースを除き、どういう事情で、あるいはどういう時代の読みで、その作品をあえて取り上げるかを知るのは非常に重要なことです。「2008年 ミラノサローネ」でも書いた、文化トレンドの把握の一つの方法です。歴史の掘り起こしと、新しい感覚の発見、この二つを同時にやっていくのがいいと思います。

上の写真はB-LINEの社長、ボールドィンです。確か40歳周辺です。自分でこの会社を興しました。後ろにマルチチェアやスーパーレッジェーラが見えます。彼のことやB-LINEについては、来月、より詳しくご紹介していこうと思いますが、BOBYを基軸に確実に商品の幅を広げていっています。この下の写真のポルトロノーヴァの社長も30代の女性です。かつての栄光のブランドを買い取ったのです。新しい世代が過去の財産をどう発展させているのか、こういう経営者の世代分布をみていても分かります。

Date:08/10/22

メトロクスは歴史からの評価を大事にします。それは必ずしも、あるブランドに寄りかかるということではありません。長く支持される良質のデザインを追求するということです。50-70年代のデザインを多く扱っていますが、今のデザインが駄目だというのではなく、時の試練に耐えうるとみれば積極的に取り組んでいきます。しかし、それには古いデザインを多数見慣れることが同時に必要であることを語っています。

先週、60-70年代に多数の新しいデザインを世に出してきた経営者と会いました。「私はいくつかの成功を手にしましたが、沢山の失敗もしました。今だから言えるのですが、このデザインなんかもそうです。プロトタイプでは大変良かったし、それをサローネに出展したらすごい数の注文が殺到したんです。そこで欲が出て、金型投資に金をかけて素材を安いものにした・・・それが失敗だったんです。予想のというか、投資回収の前提とした数の10分の1も売れませんでした。結局、この製品は数年の命でした」 今みても良いデザインです。しかし、ちょっとした戦略ミスで、あまり世では知られない製品となってしまったのです。

その後、この作品をデザインした当のデザイナーと会いました。彼は30年前には「なんで、これがこれしか売れないのだ!」とメーカーを随分と煽ったようですが、今はその理由が良く分かっているようでした。古いデザインを見るというのは、こういうことも含むわけです。ビジネスストリーをひっくるめて当時の全てを考えなおしてみるのです。下の写真は、このデザイナーのスタジオがあるビルのエレベーターです。120年前から使われており、毎日こういうエレベーターに乗るとどういう思いをもつものか、それは新しいエレベーターと日頃接するケースと明らかに異なってくるのも当然といえます。

このエレベーターがどんな建物のなかにあるか、それも見ておいたほうがいいでしょうから、その写真も掲載しておきます。

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