さまざまなデザイン の記事

Date:09/1/26

挨拶がかなり遅くなってしまいましたが、1月10日(土曜日)のオフ会に参加いただいた方たちに深くお礼申し上げます。ブログと拙著を読みオフ会においでいただいたにも関わらず、なかなかお一人ずつと十分なお話しができなかったのは残念ですが、それぞれに新しい出会いを提供したのであれば、まずは良かったと思うことにします。

さて、久しぶりに会った西洋紋章画家であり神父の山下さんから聞いたカトリックの窮状には驚きました。世界のカトリック信者は10億人と言われますが、実際に教会に通い献金をする信者は4億人程度とのことで、バチカンの教皇庁自身、財政難であるようです。そこで、日本のカトリック教会が同様に難しいシチュエーションにあることは容易に想像がつきます。日本はカトリックを媒介にヨーロッパ世界とのコンタクトが始まり、それが約500年続いてきたのですが、その歴史の転換期にきているのは確かです。

欧州地域研究が専門の八幡康貞さんとは、この場だけでなく、その後何回か電話でも話しましたが、人の生きる世界は、日々の生活する世界だけでなく、もう一つその向こうに別の世界があるということをもっと認識すべきではないかとのコメントは印象的でした。どんな不況であっても、予定されていた太平洋ヨットレースは行い、それを夢中になって応援する・・・そういうメンタリティが必要ではないか、と。何か悪いことがあると全て、喪に服したように思考停止状態になってしまう、そういう精神状態から如何に脱するかが重要ではないかと思います。

今回のオフ会、「飲み放題」「遮音性の高い個室」を条件に場所を探しました。結果、日比谷通りに面した居酒屋になりました。掘りごたつタイプ。これは移動性に欠点があり、20人が交互に違った人たちと話し合うには、やはり椅子か立食タイプが良いのかなというのが反省点です。だいたい一度席を変えてしまうと、グラスや皿が誰のだか分からなくなってしまいます。次回はこういう問題点を改善したセッティングを考えてみますので、今回に懲りず、またご参加いただければ幸いです。

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european.eyes@gmail.com

Date:09/1/23

約2週間の日本滞在を経て昨晩ミラノに戻りました。やはり寒いです。マルペンサ空港の近くには雪がまだ残っています。が、東京はさほどでなくても、名古屋はたまたまなのか、かなり冷えました。山が雪で白かったが印象的です。

今回の訪日のメインは、アイルランド首相訪日にあわせた経済ミッション団と行動を共にすることでした。外資系金融会社のエコノミストによる日本経済のレクチャーを聴いたり、アイルランド経済大臣一行と日本の代表的企業を訪問したり、首相列席の午餐会に出席したりと、いわば外側から見た日本の姿に接することになりました。

今まで日本メーカーは固有技術には優れているが、それをインテグレートする力が弱いとされてきました。訪問したのは一部の企業ですが、やはりどこか全体図を描く力に不足点があるのではないかと思わざるを得ないプレゼンがありました。日本はディテールの積み上げを得意としてきましたが、全体図を描くことと、ディテールの積み上げを両立するのはやはり困難なのだろうか・・・と色々と考えることになりました。これは、これからの日本経済の肝です。

麻布のアイルランド大使公邸でのレセプションも、やはりアイルランドを代表するギネスビールで始まりました。しかし、アイルランドで飲むギネスほどには美味しいとはいえないです。よく水の質の違いだといいますが、日本の水が悪いとかいうことではなく、ギネスに合う質の水がアイルランドでしか入手できないと理解するのが正解なのかなと思います。ある質の高い完成品を得るには、その部分部分が、絶対的な高品質より最適合しやすい性質を持っていることが重要なのでしょう。そんなことを日本のギネスビールを飲みながら思いました。

しばらく、日本の滞在中に思ったことを連日書いていこうと思います。

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Category: さまざまなデザイン | Author 安西 洋之  | 
Date:09/1/8

昨日、外向きにならざるを得ない話を書きましたが、今日は外向き用デザインの話です。アピール対象を変えるとき、どのように違った見せ方をするかという一例のご紹介です。

インテリアデザインの年明けはパリからスタートしますが、MAISON&OBJET が今月23日から開かれます。JETRO(日本貿易振興会)が今回、”Japan Style 2009 – Phantasmagorical ” というタイトルで、紙をテーマに14社の製品を展示します。その一社にメトロクスが選定されました。渡辺力さんの作品が対象です。

メトロクスのオンラインサイトでは以下のような説明をしています。

http://metrocs.jp/products/detail/241.html

<ここから>

渡 辺力が1965年にデザインした Carton Furniture Series (C.F.S)です。段ボールというリサイクル可能な素材を、完璧な組立構造によって堅牢さを強化。発売当時「4つのスツールで象の体重を支えられる」と 話題になりました。スツールとしてお使い頂くほかに、積み木のように遊ぶこともできます。また段ボールの表面に絵も書けるので、自由な発想を重視する保育 園・幼稚園でも採用されています。

<ここまで>

子供がユーザーになりますが、当サイトでは正統的な見せ方をしています。しかし、今回、パリで展示するにあたり考えました。「ややデザイン、デザインした気取ったラインから外してみたらどうだろう? フランスのエスプリ文化や漫画文化を私たちはリスペクトしていますよ、というサインを送ってみたらどうだろう?」と考えました。かといって、フランス人デザイナーにチラシを作成してもらうということはしません。予算面の制約もありますが、今回は実験的にやってみるので、全てメトロクス社内で作成です。もちろん、欧州で扱ってみようというインポーターがコンタクトしてきてくれるのが狙いですが、そのためにはまず、「あっ、この会社、ヨーロッパのことを分かろうとしているのね」と思ってもらえればいいのです。

出来上がったのが上の写真です。子供と新聞を読むお父さんが仲良く座っているというのは、欧州のユーザーがわりとピンとくるシーンではないかというのがフィンランド人スタッフのアドバイスでした。ぼくは、完成した図をみて、必ずしもヨーロッパのセンスではないかもしれないが、とにかく欧州にアプローチしたい意図は通じるのではないかと思いました。即ち日本の文脈の押し付けからは脱している点は好感をもたれる可能性があると考えています。が、まったく日本のセンスを排除したわけでもないのです。

このスツールが「象をも支えられる」構造をもっているのは、折り紙のコンセプトと通じています。このチラシも上のように、折り紙的プロセスを経ることで製品と全く同じイメージの座面を作りだします。これはメトロクスにとって新しい試みです。今までも、海外の多くの方たちから、メトロクスの商品のセレクションセンスは高い評価をうけてきました。GOOD DESIGNの王道に沿うよう努力してきたといえるでしょう。しかし、欧州市場に出すにあたり、意図的に「外してみた」のです。冒険ですが、このメッセージがポジティブに働けばと願っています。

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Category: さまざまなデザイン | Author 安西 洋之  |