ローカリゼーションマップ の記事

Date:11/1/11

今日の夕方、息子を小学校に迎えにいきました。12月23日から昨日の1月9日までの冬休みを終えて学校のスタートです。帰りがてら「みんな来ていた?」と聞くと「えっと、フランチェスコとアンナと・・・3人いなかったかな」との答え。クラス25人のうちの3人。風邪で休んでいるわけではなく、何処かに休みで出かけ、帰りをずらしているのです。これは休みの前も同じです。12月23日は木曜日でしたから、その前の12月18日(土曜日)から何処かに出かけるので、20日から22日も休んでしまいます。

学校を休ませることへの考え方が違うということもありますが、とにかくリズムの取り方が違うということが、この行動パターンのベースにあるでしょう。例えば、今年初めての稼働日だからといって、そう張り切らない。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、休み前にお話したあの件ですが・・・」ということを一瞬も惜しまずに一気にやる・・・・ということをしません。2週間以上の期間をリカバーの対象としては考えない傾向があります。休みは休みだったのだからと考えます。したがって、わりとスロースタートです。昔のディーゼルエンジン的です。

ディーゼルエンジン的ですから、トルクはある。で、一度動かすとグイグイと推していきます。無駄口も叩かずにひたすら集中します。夜遅くまで仕事することも厭いません。が、何が苦手といって、今日は仕事して、明日は休み、明後日は仕事というリズムにつきあうことです。そういう凸凹なやり方は「生産効率が悪い」と一蹴しやすいのです。もちろん今はネットの時代ですから、自分だけのリズム、あるいはイタリアだけのリズムをキープしようとしても、メールで周囲の動向はどうしても目に入ってきます。PCを休暇に持っていかなくても、スマートフォンを置いていくことは少ないでしょうから、どうしても「巻き込まれやすい」。それでも「巻き込まれない」と決意したら、それをかなり堅固に実行する人多いと周囲をみていて思います。

「巻き込まれないキャラクター」は、郵便局であろうと銀行であろうと、どこの窓口にいっても観察することができます。窓口の人間はある書類整理をしていたら、お客がその窓口の前にたっても「ちょっと待ってくれ」と言って、ひたすらリアルにはそこにいない誰かの「先約」の仕事を片付けます。客がイライラしようがあまり気にしません。そして「先約」が終了後、目の前のリアルの客に「ご用は?」と聞きます。当然、それまで待たされるリアルな客はいい気持ちがしませんし、「早く、こっちをやってくれ」ともクレームをつけますが、少なくても、そのリズムには理解を示します。このリズムが休日に挟まれた期間に大胆にブリッジを作るわけで、それを否定するのはイタリア人気質とその文化の否定です 笑

Date:11/1/10

おかげさまで定員を超える参加希望をいただき、定員数を増やしましたが、これも一杯になりましたので、これをもって満員御礼とします。現在、以下の勉強会とセミナーに席があります。(1月23日追記)

http://milano.metrocs.jp/archives/3887
http://milano.metrocs.jp/archives/3959

ローカリゼーションマップの新年は、日経ビジネスオンライン連載における「ヴェルサイユ宮殿に村上隆が連れてこられた」掲載からスタートしました。何かと話題の多かったヴェルサイユ宮殿における村上隆展をローカリゼーションの視点から語りました。

さて、昨年11月に勉強会を開催してから少々時間がたちましたが、2月は2回の勉強会とセミナーを一挙に行います。一つ目、第7回は今回のお知らせにある2月19日(土曜日)のエスノグラフィクインタビューをテーマとします。その翌週はセミナー+交流会を平日夕方に開催。このセミナーは「デザインを通じて異文化市場を理解する」という内容でぼくと中林さんの二人で講師をします。そして第8回目、2月26日(土曜日)はアジア新興国ビジネスに関する勉強会です。後の二つの詳細は追ってお知らせします。

参加希望者は、anzai.hiroyuki(アットマーク)gmail.com かt2taro(アットーマーク)tn-design.com までお知らせください。議論に積極的に参加していただける方、本研究会の今後の活動に貢献していただける方、大歓迎です。内容に一部変更になる可能性がありますが、その際は、ご了承ください。場所はいつもと同じく、六本木アクシスビル内のJIDA事務局(http://www.jida.or.jp/outline/)です。

2月19日(土)16:00-18:00 「エスノグラフィックインタビューで異文化市場理解を試みる」

エスノグラフィーという言葉をさまざまなところで耳にするようになりました。文化人類学や民俗学で従来からある現地調査方法ーエスノグラフィックリサーチーをビジネスのフィールドに適用して注目を集めつつありますが、新しいサービスや製品の開発にあたって活用されることが多いようです。

一方、富士通は業務改善を目的とするフィールドワークにおいて、現場の実態把握のためにエスノグラフィーを利用しています。犯罪捜査のための「認知インタビュー」やエスノグラフィック・インタビューなどを統合したインタビュー手法を開発し、実践に使っています。文脈も含めて、どうリアリティある全体像を掴まえるか?です。

今回、この手法を開発した富士通の矢島彩子さんを講師に迎え、ローカリゼーションマップへの応用の可能性を語っていただきます。異文化市場や複数業界を手短にトータルに把握することをローカリゼーションマップの目標の一つとしていますが、エスノグラフィーや心理学、社会学などの伝統的な調査手法がビジネスや異文化市場理解のために、どう使えるか?という議論に発展させていきたい考えています。

参加定員数:20名
参加費:1500円(18:00以降の懇親会参加費を含む)

講師:矢島彩子

1996年岩手大学大学院人文社会科学研究科修了,2001年聖心女子大学文学研究科博士後期課程単位取得退学.同年(株)富士通研究所入社.主に,情報提示のユーザビリティの研究を行いながら,エスノグラフィーをベースにした業務実態を把握するフィールドワーク手法(主に聴く手法)開発に従事した後,2006年10月より,富士通(株)へ異動,現在に至る.お客様のフィールドイノベーションに自ら寄り添ってきたが,2009年10月より,顧客に近いフィールド・イノベータの支援部隊に身をおき,彼らを通して顧客を知ることで企業におけるフィールド主体調査の意義とそのあり方に日々葛藤をしている最中。

最近、顧客の世界(ある種の文化)にいかに寄り添う度量があるか否か、というところも重要ではないかと感じている。2007年から和歌山大学工学研究科博士後期課程(デザイン工学、山岡俊樹教授)で手法の開発とその普及のモデルについて現在研究・勉強中。

Date:11/1/7

昨日、Twitterでちょっと気になった文章がありました。以下、引用します。

@daisukeyamazaki

<朝ミニ勉強会>グローバリゼーションにおけるマーケット一様化と文化的多様性の摩擦について議論しました。途上国もマーケット一様化に巻き込まれるが、 そこで文化的価値をベースとした多様性を守るために、そういったマイノリティ価値をマーケット化する必要があること、日本の地方でも同じこと。

ぼくは文化的多様性を守るというのは何か違和感があるなあと思いました。それでそう書いたら山崎さんより以下の問いがきました。

守るというより価値を市場化して、選別かけるというイメージですか?

どうもぼくの違和感は一言で説明しきれないと思ったので、このブログに書いてみることにしました。まずは「文化の多様性維持」というとユネスコやEUのポリシーを思い起こすからかなと思い、かつてここで書いた文章を探してみました。まず、「庄司克弘『欧州連合 統治と論理のゆくえ』を読む」で、アイルランドの女性がレイプで妊娠した胎児をおろすためのプロセスを書いた後に僕は次のような感想を書きました

こういう調整を延々と継続している国々に、新しい社会圏の創造に向けたノウハウと知恵が蓄積されないわけがなく、ここに新しいコンセプトを生む萌芽がある だろうとぼくは睨んでいます。平板なグローバリゼーション論とローカリゼーション論に懐疑を抱く理由でもあります。残念ながら(?)、ぼくは古典的なヨー ロッパ文化のファンではないのです。

常に文化が現実的な問題とリンクしています。もう一つは「山下範久『ワインで考えるグローバリゼーション』を読む」で取り上げた、ワインにおけるグローバルとローカルの相関関係です。

このグローバル的な動きと一見反対するようで実は相似形であるのが、テロワールー生産地特有の個性を強調ーであると指摘します。そう、「東北地方の誰々さ んご夫妻のワイン」はテロワールの文脈にあるのです。そして、「記号化されたワイン」という意味では、パーカーの作る世界と同じ舞台であるといえます。

地方重視あるいはローカルの掘り出し物をグローバリゼーションとの対立軸でみると無理があります。つまりは、グローバル戦略に内包されるローカル価値、ローカル価値の集積としてのグローバル価値を動的に見つめる視点が重要であると思い、ローカリゼーションマッププロジェクトを推進しているぼくにとって、「文化の多様性維持」という表現がどうも静的な視点に思えたのです。

もちろん、山崎さんが話題にされていたテーマは大切でぼくも大変興味のある話です。きっと勉強会でも静的なタームではなかったでしょう。多分、ぼくが偏見か先入観か分かりませんが、「文化の多様性を守る」と言うときの文化をかなり限定的な定義に使っていると勝手に想像してしまったところに問題の原因があるかもしれません。

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