イタリア料理と文化 の記事

Date:10/3/4

幕張メッセでの食の祭典も3日目。座る時間もなく立ちっ放しの日々は、馴れない身にとっては相当しんどいだろうなと想像していたのですが、思ったよりは椅子を求めないで過ごせるものだと思う今朝でした。立ちっ放しでまったく見知らぬ方に声をかけ、反応をみながら話を色々な方面に振るのは疲れないわけではないですがーいや、正直言うと、ぼくは同じ話を繰り返すより、色々と題材を振るほうがすきなのですがー、その瞬間瞬間に得る膨大な情報量ーそれは素振りであったり、目の色が変わるポイントも含めてーは何事にも変えがたい魅力があります。

上の写真は10時の入場スタート前の準備状況です。必要な商品や試食分を揃えます。この時刻は海浜幕張駅からメッセまで歩道を人が埋め尽くし、会場の外では登録所の前に長い列ができている時間です。しかし10時を過ぎてすぐスタンドの前を人が流れるわけではなく、この頃は会場の端から見ようとする人、目指すゾーンを探し歩く人の時間帯です。そうした人の塊が我々輸入ゾーンに押し寄せるには30分程度の時間が必要なようです。11時過ぎあたりから皆さんの食欲も出始め、午後3-4時頃までがピーク。その時刻以降、終了の午後5時くらいまでは試食でお腹が一杯になった人たちが、試食対象をより厳選しながら歩いている印象をうけます。そういうなかで、今日はTwitter経由で訪問してくださった方が初日と2日目よりも多い日でした。

先週末に神田のギャラリーに與語直子さんの写真展を見に行った記事は日曜日に書きましたが、この企画実行に関わった大西さんと田中さん(写真の左から)。また一橋大学の学生たちと勉強会をしたエントリーを2週間前に書きましたが、彼らもブースに来てくれました。たまたま一緒になったので記念撮影です。ぼくは彼らに商品開発の意図やローカリゼーションの意味を説明し、YouTubeのPRビデオを見てもらいました。そして、イタリアゾーンや国産ゾーンに行って各種の商品をみたうえで、我々の商品コンセプトを理解してくださいとお願いしてみました。

彼らの二人(写真の右二人)は数時間後にブースに戻ってきて、こう語ってくれました。「外国製品の良さは良さですごく理解できた。しかし、その商品が輸入市場である規模のビジネスをするためには、それらの商品を日常生活レベルに上手く落とし込んでいかないといけないと思った。そこでローカリゼーションのノウハウが重要だと考えた」と。それで、ぼくは食品や日用品の世界とクルマの世界の違いなどについて話したのですが、彼らは腑に落ちた表情をしてくれました。

今回、試食をしていただいている幅広い世代の何百人かの方から「美味しい!」「面白い!」「このコンセプトは初めて!」という言葉を聞きました。特にシェフや若い世代の人たちから、圧倒的な支持を得たのがとても嬉しいのですが、そういうなかで、若い世代が上述したような理解を示してくれたのはもう一方でさらに深い喜びがあります。それは彼らが、輸入品への要望事項としてだけではなく、世界戦略への基礎として把握してくれたからです。我々日本人だけがローカリゼーションに煩いのではなく、どこの国の人も一様に同じような要求をもっています。それをどう当たり前のこととして思うか。やはり、これを抽象的な言葉と具体的なモノやコトの両方で示していかないといけないと再認識したTwitter日和の一日でした。

Date:10/3/3

昨日書いたように、幕張メッセFOODEXでのブースの場所は決して絶好のポジションではありません。人の流れの軸線上にないのです。しかも、隣のゾーンがやる気のなさそうな中国ブース。今朝、周辺の中国人に聞いてきました。「どうして、人を呼び込む工夫をしないの?試食もオファーしていないみたいだし・・・」と。すると、「我々が日本の最終顧客に売り込んで商談が成功するはずがない。我々は商社や日本のメーカーがターゲット。日本のメーカーで中国で生産したいという需要にこたえるのが我々の役目」と実にはっきりした回答が返ってきました。無駄なことは一切しないという方針が明確で、ブースの前を人が通過しようがまったく気に留めないのは、このためなのだということが良く分かりました。

昨晩、幕張のニューオータニでFOODEXの参加者の交流会がありました。そこでたまたまその日の午前中、ブースが近いために名刺交換をしていた会社がありました。イベリコ豚の生ハムなどを扱っているグルメミートワールドの田村さんです。「おたくの場所は人の流れが多くてうらやましい限りです」(上の写真の左奥)と話し、色々とローカリゼーションについて意見交換しているうちに、田村さんは「じゃあ、明日からおたくの商品をウチのスタンドにおいておきましょう」とおっしゃってくれました。それは有難いと今日から、グルメミートワールドのテーブルにデルポンテの七味オイルなどを置いてもらいました。そこで我々の商品を見た方で「これは?」と尋ねられた方には、「あそこのブースで試食できます」とご案内していただいたわけです。

ブログやTwitterで見たという方も何人か我々のスタンドに来られ、1日目よりもずっと充実した展開をうることができました。そのなかで、商品コンセプトの説明にもう一つ何かが欲しいと思いました。七味オイルはイタリアの伝統的ぺペロンチーノオイルに対して八幡屋礒五郎の七味唐辛子を使うことによるローカリゼーションであり、和洋折衷のエッセンスは5対5ではない(7対3あたり)ということが骨子にあります。七味オイル風味のオリーブは、南イタリアのレシピにあるぺペロンチーノのオイル漬けオリーブの進化版というのがコンセプトです。しかし、もう一歩、オイル漬けオリーブの適切な日本語訳が必要であると考えていました。その回答が長野で代々漬物をやっている木の花屋さんの宮城恵美子さん(上の写真はデルポンテのアレキサンダーと宮城さん)の活動にありました。

そう、オイル漬けオリーブは「漬物」という概念であり、その概念に沿った形で日本に紹介していくことが良いのではないか、ということが今日の発想です。七味オイルのインポーターをしている長野・上田の石森さん(上の写真は今晩の居酒屋での一場面)が渡辺さんを連れてこられたのですが、実はアレキサンダー自身はオイル漬けオリーブは日本での漬物であると考えていました。しかし、そのようにヨーロッパ人が説明するのではなく、日本人が日本人の思考枠のなかで、「これは漬物である」と自然に思えることが重要なのです。日本で漬物は野菜のできない季節の保存食として考えられました。それはイタリアでも似たような事情があるのですが、しかし、その周辺事情だけでは同じカテゴリーと定義するリアリティに欠けるのです。石森さんが居酒屋で言った「漬物って特に欲しいと思わなくても、テーブルの上にあると、なんとなく食べているんですね」という感覚が日本とイタリアで一致していることが、似たものを同じものとするに際しての決定打ではないか・・・とそんなことを思いました。

Date:10/3/3

今日、幕張メッセでの食品の祭典、FOODEXがスタートしました。イタリアのエキストラヴァージンオイルとそこか生まれたコラボレーション商品、七味オイルや七味オイル風味オリーブのプロモーションを行いました。色々な方に来て頂きました。業界も職種も様々です。一つ、よく分かったことがあります。これは繰り返し、このブログで書いていることですが、ある味を賞賛するのは味覚、触覚、臭覚、視覚だけではなく、ロジックで評価するということです。もちろん頭でっかちの味覚は話になりませんが、必ずしも舌だけで人は簡単に振り向かないというという事実です。焼酎、赤ワインなど、まずは「健康に良い」というロジックがブームの皮切りとなったのです。

今までデパートでのデモや地方での展示会の出展はありましたが、今回、初めて日本でこのような見本市に出展したのですが、スタンドのデザインはWEBデザインとの連携を考えました。あえて新しいパネルを作るのではなく、我々のWEBサイトのトップページの画像をそのままパネルにしました。WEBあるいはTwitterで我々のことを知った方が、このリアルな場をどう既視(デジャヴュ)的場所にするかが重要だと考えました。ヴァーチャル感とリアル感のリンクです。正直に言って、ブースの場所は良くありません。輸入品ゾーン(6E20)ですが、アジアブースとの境目で、どう見ても売り込みに熱心とは思えないブースとの隣り合わせで相乗効果が見込めません。彼らはずっと椅子に座り込んで、自分のブースに人を呼び込む工夫をまったくしません。それでも、開始後、2時間程度を経るとだんだんと訪問者が増えてきます。

特にどこか離れた場所で呼び込みをかけたわけではなく、スタンドの前の通路を通過する人たちにどう試食していただくかに集中しました。いわゆる通路での挟み撃ちではなく、我々の商品のコンセプトで「試食してみたい!」と想っていただくことを考えました。イタリアのエキストラヴァージンオイルはイタリアの貿易振興会がもっているスペースに行けばたくさんテスティングできます。が、それはこちらの狙いどころの少々異なります。我々も100%イタリアのオリーブオイルやジャムあるいは蜂蜜を紹介しています。しかし、我々の強みはローカリゼーションのノウハウです。どういう経緯で七味オイルというコンセプトが生まれたのか、これがどうこれからのビジネスのノウハウとして必要なのかをお話すると、かなりの方が「面白い!」と言ってくださいました。そして、一度試食したものをもう一度試食してくださいました。これは味覚とロジックの間にリンクを作ってくれたという証明です。

一日が終わって幕張のパブでデルポンテ社長のアレキサンダーと話しこみました。二次元画法と三次元画法の間にあるギャップについてです。食品見本市の後に、このような議論をすることを不思議に想うかもしれません。このあたりの説明を明日以降に書いていきましょう。因みに、試食していただいた方たちは、かなりの割合で即「美味い!」「面白い!」と言ってくれました。そしてコンセプトについて説明すると、もっと深いところで納得いただけた表情を示してくれました。

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