ピレッティと語り合おう(4)

さてグルリと散歩したところで、大ヒット作であるプリアを開発した頃を話題にしましょう。まず若き日の思いから・・・・。美術学校で面接をしたカステッリに誘われた彼は、アルジェリアで政府関係施設のインテリアデザインをすることになりました。が、「わたしはインテリアデザイナーになりたいのではなく、インダストリアルデザイナーとしてモノをデザインしたいのだ。」と宣言して途中でイタリアに戻ってしまいます。それでカステッリは、午前中は教職、午後は「スペースと給料をあげるから自由に好きなことをやれ」という提案をしたのです。

 

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そこで彼はアルミニウムについて勉強をはじめます。カステッリは家具メーカーではなく、その頃はいわゆる内装業者だったので、社内に木に精通している人はいましたが、アルミの材質や鋳造のことを知る人が誰もいません。独学でアルミニウムに関する知識をえながら、アルミで作るモノを構想していました。コストが安く、光沢があり、クロムのように有害ではない。それがアルミでした。それと同時にプラスチックのことも研究しました。このようにして、アルミとプラスチックの技術が融合した椅子をデザインしていったのです。

ただ、このプリアの開発以前に、彼はいくつかの椅子をデザインしており、そのなかにはアルミと木が融合した椅子もあります。カステッリで即プリアを作り始めたわけではないのです。が、この経過は早送りして(笑)プリアにいきましょう。

彼ははじめから透明の椅子を考えたのではありません。最初は構造をどうするかに集中したのです。折りたたみ椅子、その要となる部分。横にあるノブのところですね。そして座面を透明にしたことによって、ストラクチャーがきれいにみえるのですが、この透明素材はチェリドールというバイエルで眼鏡のために開発中だった素材を使うことになりました。

この椅子をカステッリは「オフィス用ではなく家庭用だ」と評します。たいしてピレッティは「この椅子は色々なシーンで使われるはずで、何々用とかかわらずに生産すべきだ」と主張しました。ビジネスとしての見通しがどれほど正確であったかは別として、ピレッティ自身、この製品の使われ方に関してかなり具体的なイメージをもっていたと思わせるエピソードです。

 

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Category さまざまなデザイン, ピレッティと語り合おう | Author 安西 洋之