スカンジナビアからイタリアへ(2)

カルテルの創業者であるカステッリに会って、「50年代にデザインロイヤリティを導入した弁護士の存在をご存知ですか?」と聞くと、「えっ、そんなの知らない話だなぁ。そりゃあ、何人かのデザイナーのエージェント的役割をしていた弁護士はいたけど、彼が導入したというわけでもないと思う」という答え・・・・というわけで、真相は遠のきました。だいたい、スカンジナビアでロイヤリティ制をまったく使っていなかったわけでもなさそうで、これだけをもってイタリアデザインの誕生を語るには無理があるなと思いました。

いずれにしても、第二次大戦後の混乱から立ち直り経済成長の波にのっていくイタリアのミラノ周辺で、冒険心に富んだ若い企業家と同じく若いデザイナーが出会い、「ねぇ、何か一緒にやろうよ。君が何の技術をもっているかを教えてくれれば、僕がデザインを提案してあげるよ」という会話から仕事がスタートしたことは間違いありません。

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「北欧デザインを追い抜こうという気持ちは強かった。彼らはよいものを出していたけど、木の製品が多く、技術的に新しいものとは言えなかった。それで我々は、新しい素材と技術でプロジェクトを起こそうと思ったんだね。戦略的だったんだ。」とカステッリが語ります。そこで、リスクをとる企業家とリスクをとるデザイナーが新しい時代を作っていったのです。「何か提案してよ」という言葉があったとしても、デザイナーの提案は持ち込みの性格が強く、デザインフィーはデザイン買い取りではなく出来高で支払われるという形が、プロジェクトのスタートを楽にしてくれたのは確かです。

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Category さまざまなデザイン, スカンジナビアからイタリアへ | Author 安西 洋之