デザインとアートの論議が歪になっている

今年、デザインに関わる本を2冊、『デザインの次に来るもの』『突破するデザイン』を出したわけですが、それもありデザインやアートの議論をよく観察するようにしています。そこで、どうもおかしいなあとの想いが強くなってきました。勢力争いにしか見えないところがあるのです。いわばロビー活動が露骨過ぎる!と思うわけです。『デザインの次に来るもの』で紹介したEUのイノベーション政策にデザインが主役に躍り出たのは、ブリティッシュ・カウンシルのブラッセルへのロビー活動の成果が大きかった(クリエイティブ産業振興だけでは不足である、というのが本音でしょう)のですが、ロビー活動はそこそこに隠すところは隠さないといけないのです。

そんな時に一般の人も絵が描けるようになることで観察眼が向上しますよ!と言っている、アート・アンド・ロジックの増村岳史さんと知り合いました。増村さんの活動はネット上で見ていたのですが、9月に開催されたイベントの会場で初めてお会いして話しこみました。ああ、これは何かを一緒にやるタイミングだと直感で思いました。

 

 

そこで立命館大学の八重樫文さんにもイベントのアイデアを話したら、主催を立命館大学DML(Design Management Lab.)、共催を大学院経営学研究科として東京キャンパスでやりましょう、ということになりました。それで2日に分けてトークショーをやりますが、1日目の趣旨は増村さんに書いてもらい、2日目はぼくが書きました。下記です。

 

ビジネスがお金にまみれた汚い世界というわけではありません。アートがきれいな高尚な世界というわけでもありません。その間でデザインが右往左往しているということでもありません。それぞれ別の世界に生きているのではなく、同じ愛ある世界に生きています。

 

が、どちらかというとビジネスはガチガチの論理か義理人情の話ばかりが強調されます。アートは感情が優先した特別な存在に見られがちです。そしてデザインはビジネスの下僕のような存在で、アートとビジネスの両方の機嫌を窺っているようにも見えます。なにか「どっちがエライか」の競争をしているような感じがしませんか? これでは愛が逃げてしまいます。

 

Seminar#01の「ビジネスは魅力的なアートか?」に続き、今回もアート・デザイン・ビジネスが実はとっても仲が良いのだ、そして持続性ある愛とは何かを考えているのだ、ということをみなさんで「味わって」もらおうと思います。

 

最初に『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるか? 経営における「アート」と「サイエンス」』の著者である山口周さんに30分ほど「アートの本懐」をテーマにプレゼンしていただきます。その後、『デザインの次に来るもの』の共著者であり、ロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』の共に監修・監訳をつとめた安西洋之さんと八重樫文教授とが、山口さんと1時間ほど鼎談をします。

 

会場の皆さんとも30分ほど議論ができたらと願っています。

 

これはかなり気分で書きました。しかし、この気分は止めようがなかったのです 笑。

1月13日(土曜日)14:30-16:30 「ビジネスは魅力的なアート?」
1月19日(金曜日)18:00-20:00 「サスティナビリティある愛とは?」

案内を静岡大学大学院でマーケティングを教えている本條晴一郎さんに紹介したら、次のようなチャットがありました。

本條さん「サスティナビリティある愛 って良いですね」

安西「永遠の愛、という言い方は昔からあるのですが、これだと意味が違うなあ、と」

本條さん「変わらぬ愛というよりも、心はいつもあって、その上で更新されていく愛、というニュアンスに捉えました」

この本條さんの解釈、とっても嬉しいです。

登壇者の名前やプロフィールは立命館大学DMLの下記案内をご覧ください。申し込みもそちらからお願いします。

https://dml-ritsumei.wixsite.com/seminar2018

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Category イノベーティブ思考, セミナー・講演など | Author 安西 洋之