『ヨーロッパの目 日本の目』-8

「2008 ミラノサローネ」を書いているとき、デザインや建築について書いている山本玲子さんのブログを引用したことがありますが、11月28日に書かれている「プロトタイプ展2」を読んでいてなるほどと思いました。

<ここから>
先日とあるデザインコンペの授賞式で、審査員が受賞者に対して「今、直接あなたから話を聞くと制作意図がよく理解できるのだが、応募時のプレゼン資料では分からなかった」と言ったところ、その受賞者が「くどく説明するよりもアウトプットで見せた方がいいと思った」と答える場面があった。展示会にしろ、コ ンペにしろ、見る側としては作品を眺めて自由に発想するだけでなく、それ以上に制作者の意図や考えを共有したい、つまりコミュニケーションしたいという気持ちがある。確かにその受賞者の気持ちも分かるが、やはりアートとは異なるのである程度丁寧な説明(文章や言葉でなくてもよいが)も大切ではないか。
<ここまで>

http://reikoyamamoto.blogzine.jp/ynot/

一方、ぼくが28日に紹介した、コンポラリーアートの廣瀬智央さんの小山登美夫ギャラリーでの作品が以下サイトでご覧になれます。

http://www.tomiokoyamagallery.com/exhibitions/p/KIYOSUMI/2008/1129SH/index.html

その廣瀬さんから、以下のようなメールを受け取りました。

<ここから>
今回このような文章(プレスリリース)を書いて、テキストを読んでくれた方は、非常に共感と理解を示してくれて、作品がより魅力的になったという感想をいただきました。やはり、アーティストのリアルなさまを文章でロジカルに書く訓練は、非常に大事だと再確認しているところです。
<ここまで>

ぼくの本のなかで欧州地域研究家として文章を引用させていただいた八幡康貞さんと、今週、電話で話しているとき、八幡さんより「コンセプトを考えるときのキーワードは自分で考えないといけない。これは極めてクリエイティブな行為なのだから、雑誌や本から拾ってきた言葉の組み合わせで新しいコンセプトを考えようというのは、あまりに経験主義的過ぎる。仮説をたて論理を組み立てていくプロセスを経ていないコンセプトはコンセプトなりえない」という内容の言葉を聞きました。

ぼくは本の中で、欧州人は美術館の入り口でより解説を読むと書きました。直感的あるいは直観的な作品鑑賞の問題点の指摘は、どうも欧州向けの話だけでなく、日本についても言えるのではないか・・・そういうことを考える契機をぼくは得たようです。

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Category 『ヨーロッパの目 日本の目』, さまざまなデザイン | Author 安西 洋之