メトロクスものがたり(11)-東京店オープン

東京店のための不動産物件探しも楽ではありませんでした。当初から天井の高い空間であることに拘りました。必然的に倉庫や工場跡が候補になり、羽田空港の近く、あるいは木場の倉庫街などが考えられました。良いモノが良く見える場所である必要がありました。しかし、大型トラックの排気ガスが蔓延する道路を、徒歩でおいでいただくお客さんの気持ちも考えないといけません。紆余曲折のあったなか、今の新橋の物件が見つかったのです。元ダンボール工場です。

愛宕警察の裏にあたるこの地域、家具を作る小さな工場が多かったことは後から知ったのですが、高い天井と何となく昔の匂いが残す町並み、汐留や芝公園に近いという地の利、こういう要素が全てメトロクスの味方をしてくれるだろうと下坪さんは考えました。インテリアショップが軒を連ねる場所に安易に引き寄せられなかったのは、彼の意思の強さだと思います。

2003年、もう一つ新しい試みをスタートさせます。‘50-’70年代に活躍したデザイナーへのインタビューです。その時代のデザインを扱っていて、それを考えたデザイナー本人の生の声を聞いておきたいという欲求が強くなってきました。それもどこの雑誌や本でも取り上げているデザイナーではなく、作品自体は有名だけど、デザイナー本人があまり外に出ていない。そして、メトロクスが扱っている(あるいはこれから扱いたい)製品をデザインしている人、こういう条件のもとにはじめました。

一年に二人ずつ、インタビューを開始しました。トップバッターはMH WAYの蓮池氏、そしてプリアチェアのジャンカルロ・ピレッティ氏、ジョエ・コロンボの右腕だったイグナチア・ファヴァタ氏、フランス工業デザイン界のヒーローだったピエール・ポラン氏、パリのオルセー美術館の設計も担当したガエ・アウレンティ氏・・・と続きました。我々がここで得たものは、想像以上に大きなものでした。

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Category さまざまなデザイン, メトロクスものがたり | Author 安西 洋之