2012年サンケイBIZ連載・アクセスベスト5

今年4月からサンケイBIZに毎週日曜日に連載コラムをアップしてきましたが、先日の日曜日までの39回分のコラムを振り返ってみます。FBの「いいね」とは関係なくアクセスが多かったコラムを順不同で5つ選ぶと以下です。一つ一つに簡単はコメントを書いておきましょう。

サイゼリヤがイタリアの店より上? そんなバカな…食べて納得、コスパに感服
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121007/bsg1210070731000-n1.htm

この記事が一番のヒットでした。月間ランキングの上位にずいぶんと長く滞在していました。サイゼリヤという敷居の低いネタとイタリア料理の本場を比較するというのは、みなさんの好奇心をいたく刺激したようです。それと、ぼく自身がそうとうにサイゼリヤをけなしていたのに寝返ったという実経験が文章ににじみ出ていたのだろうとも思います。サイゼリヤに限らず、ダイソー、ユニクロなど低価格の店を取り上げると読者が増えそうです。

2ちゃんねるなどでもスレッドができて、好き勝手なことを書かれましたが、それらの多くは記事まともに読んでいただいていないことがよく分かります。「ちゃんと読んでくれよ」と当然ぼくは思うのですが、もう片方のぼくは「どんなに適当に読んでも肝心な点が伝わる技を磨かないと」と思いました。読者はちゃんと読んでくれない!ことを基本におかないといけないのです。

因みに村上龍などがサイゼリヤを褒めていたのは後になって知りました。冒頭で紹介したTweetした作家とは辻仁成です。

 

厳しいルールは「無理無理!」 日本が世界でトップに立てない理由
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120812/mca1208120916001-n1.htm

藤井敏彦さんの話を基調に書いたので、ぼく自身の主張が入っていないのではなく、ぼく自身の主張そのものを藤井さんの世界で表現してくれている・・・と読んでください。上位概念を使いきれないのは、日本企業の大きな欠点です。

ルールの話と少々ずれますが、色々な交渉場面でも「欠点の露呈」に遭遇します。例えば、日本企業と外国企業の2社間でどっちもどっちのもめ事がおこる。日本企業は「関係の清算のために、これだけの見返りが欲しい」と言いがちです。しかし、外国企業は「精算する相手に何かやるなんてアホか」と思うものです。現実的にいくのではあれば、実際に将来の関係を維持するかどうかは別としながら、交渉上では「あなたとは今後もよい仕事をやっていきたい」とフリを堅持することです。そして好条件を得た時に関係を破棄すればいいのです。

この関係を定義するものが、上位概念であったりするのです。「自由」「平和」とか「人権」とか・・・。一般に「現実的」と考えられていることが如何に「非現実的」であるかに気が付くと、視野が思いっきり開けます

 

“旅人”中田英寿氏はなぜ「文化人扱い」されるのか
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/121021/ecd1210210701000-n1.htm

TV番組のギャラには「文化人枠」というのがあるようですが、中田氏は文化人枠をすごく上手く使っていると思いました。そして、これを上手く使えるのは日本の文化・ビジネス状況ゆえである・・・というのがぼくの見立てです。

日経新聞の最終ページは文化欄ですが、「あれだけ」なんです。あまりに文化がビジネスと乖離しているから、本を他のビジネス人より沢山読んでいるだけで「文化人」扱いされるという情けないことになってしまっています。だから、中田が英語とイタリア語を喋りながら各界のビジネス重鎮と大局的なことを話す風景がTVシーンとして貴重になるんでしょう。

はっきり言っておきます。文化をビジネス視野に含められない人は、状況に霧がかかっていて自分の見方に自信がもてなくなる率がこれから高まります。それもどんどんと霧は深くなる一方です。「文化とか面倒なものいいよ」と独り語ちしている方、この年末に考え方をガラリと変えることを強くお勧めします。東洋経済や日経ビジネスオンラインが盛んに「教養」に目を向けているのは、その動向に気づいたからでしょう。

 

ファーストクラスにしがみつく国内航空 富裕層を把握しているのか
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120923/bsd1209230730001-n1.htm

この記事は航空会社のニュースの関連記事として何度も紹介されたこともあり、コンスタントに読まれてきました。「富裕層」という金額ベースで人を見ようとすると、「富裕層」の心のあり様が見えなくなる。そういうパラドックスに陥っているのが国内航空なんだろうし、高級車を出しているトヨタしかりなんだろうと思います。

また自分たちのポジションをよく把握せずにフラフラしているのもよくありません。中東の航空会社のスタイルで戦うのか?欧州や米国のそれらと競うのか? そういう「わけのわからなさ」がここに書いた記事の背景にあります。そういえば、一部、読者のコメントに「ヴァージンを見よ」「今、一番いいのは日本の航空会社なんだ」という意見を拝見しましたが、この記事を書く際、英国のヴァージン航空も窮状に陥っているとのレポートや日本の航空会社の来期の状況は悪化するだろうとの見込みも読んだうえで書きました。

 

会議で眠る非常識な日本人 頼むから「寝落ち」しないで聞いてくれ!
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/121028/ecd1210280631000-n1.htm

この記事はアップした日のアクセス数で過去最高でした。「いいね」のつくスピードも異常に早かったです。あまりに多くの人にとって「寝落ち」は切実過ぎたようです。サイゼリヤ以上に。柳の下の2匹目のドジョウを狙おうと思っても、なかなかアイデアが浮かんでいません 苦笑。

「寝落ち」させるミーティングが悪いとかいろいろと意見がありましたが、ミーティングの当事者意識に欠けていることはどんな理由をつけても正当化できないでしょう。「ミーティングの仕組みが悪い」というのなら、それを改善するためのアクションを怠っている段階で、やはり「現状に寝ている」ことに変わりありません。目を覚まして言葉のやりとりをするしか次の一歩はないのです。

 

以上まとめてきてお分かりのように、アクセスの多い記事は日本を比較対象として話題にしたものです。日本をネタにしないとアクセスが落ちます。英国がどうした、イタリアがどうした、アジアがどうだだけ・・・というと、何か大きな事件で話題になっていれば別ですが、通常、みなさんの関心が落ちるようです。それを関心のある向きに引っ張れないぼくの力量不足を想います。ただ、以下のような記事はアクセスが増えます。英語は常に興味の範囲内のようです。

英語しか使えないイギリスの若者 なぜコンプレックスを抱くのか
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120729/mcb1207290901000-n1.htm

さて、次は何を書こうかな。

 

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Category ローカリゼーションマップ | Author 安西 洋之