「人生が果物の段階に入った」とは?

今週、道を歩いているとよく挨拶を交わす老婦人と出逢いました。やや姿勢が前かがみ。歩調も乱れています。いつものキリッとした感じがありません。どうしたのかな?と思って、「調子はどうですか?」と尋ねると、「今、病院からの帰りなの。夫が入院していて、果物の段階に入ってしまって・・・」との力のない声です。果物に来てしまった!

ご存知のように、イタリアの食事は皿の順序がはっきりしています。前菜からはじまり、パスタやリゾットのプリモ、肉や魚のセコンドときてサラダやチーズに至ります。その後にデザートで甘いものを堪能し、最後に果物がテーブルに置かれます。つまり果物は最後の段階ー死期が間近に迫っていることになります。

人生を食に喩えるほどに食はライフスタイルの中心に据えられているわけですが、この老婦人と別れた後、わが身を振り返りながら、ぼくは今、どの段階なんだろう・・・・と歩きながら考え始めました。パスタでないことは確かです。主菜の段階ではないか。これを終えるのは仕事を辞めた時かな。でもぼくは死ぬまで仕事するつもりだからなあ・・・いつ、甘いものを食べるんだ?とアレコレ頭を悩まします。

で、考えれば考えるほど、このイタリアの食を人生に適用させる発想に感心します。比較的低温の皿からはじめ、中心の舞台では熱く、そしてじょじょに低温に落ちていく・・・・・・

 

 

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Category イタリア料理と文化 | Author 安西 洋之