『ヨーロッパの目 日本の目』-5
Date:08/11/20
先週、ぼくの本『ヨーロッパの目 日本の目ー文化のリアリティを読み解く』で紹介した「東西の架け橋 フィレンツェの文化財団」のイベントのためにフィレンツェに出かけてきました。そこでイタリアで40年近く活動してきた建築家の渡辺泰男さんの講演がありました。以前もこのブログでご紹介しましたが、槇文彦事務所を経てイタリア政府給費留学生としてローマ大学で勉強。都市計画の大家であるミラノのジャンカルロ・デ・カルロ事務所で働き、ウルビーノ大学の学生寮を手がけ、その後、アドリア海沿いのペザロでイタリア人とインタースタジオという事務所を設立しました。
イタリアを中心に、学校や大規模スポーツセンターなど多くの公共の建物を設計してきた方です。ぼくも15年近くお付き合いさせていただいていますが、ぼくが本を書くにあたっても、色々とアイデアを提供くださいました。その渡辺さんが、東欧や米国の建築家や建築の学生を前に日本建築の5つの特色を説明しました。その五つとは、「床構造(高さ)の重要性」「間切りの意味」「仮設性」「水平線の強調」「余白の意味」です。大変面白い内容でした。
ぼくは、この講演を聞きながら、いろいろな構想を膨らませていたのですが、その一つのアイデアとして、これらの五つの特色を日本の工業デザインの特徴説明に繋げていくとどうだろうかと考えました。今回の講演の観衆のメインは建築分野の人たちなので、建築に限った話でよかったのですが、異なった分野の観衆をも巻き込むプランを考えたらどうかと思ったわけです。
日本文化の特色を説明するにあたり、建築という歴史性と風土を要素として強くもつ視覚的題材はとても有効です。工業デザインの表現でも十分に地域性が出て、その地域性をどう意識化するか?とぼくは本のなかで書いたわけですが、工業デザインにはユニバーサルな要素も多く若干隠れがちになります。
このあたりに「馴染みやすい文化理解」のネタがあるように思えます。







