メトロクスものがたり(7)-イタリアデザインへ

『ブルータス』ではイームズのあとにはヤコブセンの特集を組み、北欧ブームも起きてきます。この北欧家具はソフトな印象が強いためか、女性購買層をよりひっぱる要因になりました。やや日本に特有な傾向と思われるのは、チーク材ではなくビーチが主流で、白い清潔感がことのほか好まれるという点でしょう。他方、イタリアデザインは、アレッシー的なカラフルでユーモアのあるタイプは女性に好まれますが、もう一方の伝統的な正統派のデザインは、圧倒的に男性が多いという流れが、このあたりの時期でもはっきりしていました。

下坪さんは、こういうイームズブームが落ち込むことを予想し、以前から準備していたイタリアデザインの領域を得意分野にしていこうと思います。独立前にもイタリア製品を全く扱ったことがなかったわけではありません。米国でイタリアのガラスやセラミック製品を「遊び」で買い集め、それを日本で売っていました。イタリアの独特のカラーに惹かれていたのです。

話しが少し飛びますが、実は2003年、フィレンツェのビトッシからオファーをうけ、取引を検討するにあたり、ビトッシの工場でコレクションを見せてもらいました。そこでガラスケースのなかに収められたロンディの作品の数々を見て、下坪さんは「アッ!」と驚きます。およそ10年前に米国で買い集めていた作品が、ここにあったのでした。1990年代の前半、米国でビトッシもロンディの名前も知らずに商材としていたものが、イタリアの名の知れたアートディレクターによる作品であったというのが約10年後に判明したというわけです。ビジネスを即決意しました。

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Category さまざまなデザイン, メトロクスものがたり | Author 安西 洋之