カップヌードルミュージアムに行ってみた

横浜のみなとみらいに先月オープンした「カップヌードルミュージアム」。1958年発売の第一号から並んだあらゆる種類のインスタントラーメンを眺めながら、10年数年前くらいの時代を懐かしいと話し合っている人たちの声を耳にしながら、旧東ドイツの生活空間を再現したベルリンのDDRミュージアムの様子を思い出しました。「え~!パパやママ、これ知ってるの?」と子供が叫ぶと満足そうな顔をする親たち。あまりに過去過ぎては自慢のネタにならないけど、「近過去」あたりが親の地位向上には良いのでしょうか。

カップヌードルが発売されたのは1971年。日本にファーストフードが一斉に入り始めた時代です。それまでの通常のインスタントラーメンの海外市場拡大を考えていた1960年代後半、米国のスーパーの担当がインスタントラーメンを砕いてカップに入れてフォークで食べるシーンを日清食品の創業者が見てカップヌードルのヒントを得たといいます。

「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか』(←ちなみに「マルちゃん」は東洋水産です)では、ローカリゼーションを考えることと同時に、異文化のロジックとの出会いがイノベーティブなアイデアを生む重要性に言及しました。人は無から何か新しいアイデアを生むのではなく、コンテクストの違う環境に入った時に、自分の今までのナレッジや感覚とのずれからアイデアを生むことが多いのです。

日清食品の創業者・安藤百福氏は、1)インスタントラーメンの海外市場へのローカリゼーションの必要性を認識した 2)ローカリゼーションの必要性の認識がカップラーメンという革新的な商品のアイデアを誘発した という点において、ローカリゼーションマップの主張の正しさを裏付けてくれることになります。このミュージアムは子供が創造的な思考を体感する場所のためか、クリエイティブシンキングの6つのキーワードの第一番目は「まだ無いものを見つけるー世の中にはまだ無いが、「あったらいいな」というものを探す!」とシンプルに書いてあります。当然ながら、ラーメンがあったところへの+αであり、インスタントラーメンがあったところへの+αです。ラーメンを発明したわけではありません。「まだ無いもの」をどういう範囲で設定するかが、実は課題の第一事項になります

カップラーメンの通気性のない蓋も、飛行機でマカデミアナッツの蓋をみてひらめいたのです。つまり発想の鍵はコンテクストの差異の連続的な体験の蓄積になります。ローカリゼーションの重要性の2本目の柱として、異文化ロジックとの出会い方やイノベーティブな発想への繋げ方について、ぼくも更に説明を深めていかないといけないだろうと思います。これから、もっとこのテーマについて書いていきます。

「イノベーティブ思考」というカテゴリーを新規設定しました。

 

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Category イノベーティブ思考, ローカリゼーションマップ | Author 安西 洋之