パリの風景に馴染むか

先日、「朝日と夕日は違うのか?同じなのか?」というタイトルで、今見える風景は、多分に過去の経験に依存していることを書きました。「世界は同じになったね」という台詞自身は同じでも、それまでに歩んできた道によって意味が違う。「軽いデザインが求められる」という傾向は、重厚なデザインが尊重されたヨーロッパで軽くなることと、もともと軽さが基調であった日本において軽いことが尊重されることと意味が違うし、実際、求める軽さの絶対値に差異があります。上の写真はパリのデパート、La Grande Epicerie ですが、日本的感覚からすれば重いでしょう。

日本とイタリアの食文化の融合実験」で、トスカーナのエキストラヴァージンオイルと七味唐辛子ー長野善光寺の八幡屋礒五郎ーとのコラボ商品が、日本国内の店舗でどう陳列されているかを紹介しました。七味唐辛子からスタートするか、エキストラヴァージンオイルから見るか。2番目の写真は、La Grande Epicerie の店内です。ヨーロッパでは軽めの空間ではありますが、柱や梁の太さとの対比が、軽さのポジションをよく物語っています。ミニマリズムでもないし、オリエンタルの軽さでもない。空間の余裕と棚の曲線が軽さの要因になっています。

ここに、エキストラヴァージンオイル(下から4番目のケース入り)と七味オイル(下から3番目の赤いケース入り)があります。イタリアやフランスのオイルに囲まれ、日本の味が入っているオイル。日本大好きの純日本を探してやまぬフランス人は、もしかしたら、正統派を語りはじめることでしょう。「こういう組み合わせは日本にない!」とーいや、日本でも、この商品が唯一で売っているんですが(笑)-、日本人が中国人の寿司を批評するような口ぶりになるかもしれません。そこまで日本に入れ込んでいるわけではないフランス人は、「なるほど、こういうアイデアがあったのか。面白い!」と買ってくれるのではないかと思います。入り口の違いが、態度を決めますしかも、それは結構、あとをひく

日経ビジネスオンラインの連載でキッコーマンの醤油についての記事を書きました。今、欧州は毎年10%以上の伸びを示していますが、アジア市場は3%程度。それはキッコーマンの醤油は所得があがらないと購買層が出来てこないからなのですが、アジアには醤油ーあるいは似たものーが沢山あります。どうして値段が高い日本の醤油を買うのか?という消費者の動機付けが必要です。似たものが多いから売れるのか?似たものがないから売れるのか?皆が同じなかでちょっと違うから売れるのか?とにかく、コンテクストの生成は、それまでの経験の量と質により異なることだけは間違えがありません。

 

 

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Category さまざまなデザイン | Author 安西 洋之