ローカリゼーションマップ書籍の原稿執筆中

今夏出版するローカリゼーションマップの書籍のために原稿を書いています。ほぼ書き上げて、これから手を入れていくのですが、こうした作業をしながらローカリゼーションマップとは何か?の整理が自分の頭のなかでもできていきます。今まで、「ローカリゼーションマップは地域文化を分かるためですか?製品をローカライズするための指標ですか?」とよく聞かれてきました。ぼくは「基本的に、地域文化理解、即ち、ビジネスをするにあたって必要と思われる大雑把な市場理解のため。もちろんローカライズの参考になります」と答えています。しかし、これを少しわかり易く、説明できるなと執筆をしながら思いました。ここで、この問題を整理しておきます。

海外市場とビジネスをするにあたり、そこの市場がどんなものか知っているべきでしょう。そのために各種の統計資料やマーケティング情報からアカデミックな書籍まで沢山あります。もちろん、国によっては殆ど資料がないという場合もあります。しかし、分かったような分からないような気分になることが多く、そういう気分に陥るのが予想されるから、あまりあてにもしないで読まないという判断をすることも珍しくないでしょう。「実際に現地に滞在してみないと分からないよ」と思うからかもしれません。現場を知ることは常に大事ですが、自分で納得する術をもたないのも悲劇です。

その解決の一つとして、どんな類でもいいから、いくつかの製品がもつ独特の文化や世界観を把握することです。自分の好きなモノやコトがあると、それをネタにして国境を越えた世界が見えます。外国語は自分の好きなテーマの本を読むと習得が早いというのと同じで、何か差異が分かるアイテムを指標としてもつことが大事なのです。この発想でいくと、ナイフと包丁、ティッシュペーパー、白物家電、醤油・・・などで製品のキャラクターを把握してみる。これがローカリゼーションマップの第一ステップです。コンテクストが強く反映するか、グローバル市場で売られるか、スピードが速いか、動きや影響が大きいかという観点から製品文化を自分なりにおさえるのです。

それをベースに地域文化を見ます。ローカリゼーションの期待度から、その文化のありようを想像します。本来、ローカルのコンテクストがあまり反映されない製品なのに、ある地域ではローカリゼーションしているとすれば、その地域が何を重視しているのかが浮き彫りにされます。これが第二ステップです。ローカリゼーションマップの最低目標はここです。次の第三ステップは、これまでの理解に基づいて、どういう商品投入をしていくかのプランニングに、これまでの自分なりの見方を適用していくことです。その時に、第二ステップまでの結果が活用できるのは、マイナスイメージの排除です。明らかに市場無知でしか生じないミスをゼロに近づけておく、これが肝です。ローカリゼーションマップを使えば、無駄な失敗が減って成功の打率を高くすることができる。第三ステップの目標は、ここにあります。

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Category ローカリゼーションマップ | Author 安西 洋之