ミラノサローネ2011(12) 頭の準備をスタート

ミラノサローネのシリーズ4年目にして、一つ自分の立ち位置を変えようと思います。今まで日本のデザインが欧州の文脈と乖離していることに如何に無自覚であるかを繰り返し指摘してきました。その指摘をやめようというわけではありません。自分で気づいてもらうのが一番良いのですが、なかなか気づかない人に対して、「こっちを見ると何か違うでしょう?」というアドバイスはやはり必要ではないかと思います。しかし、その次にどういう頭の働かせ方をすればいいかに関しての考察が今まで不足していたのではないか。そう考えました。震災からの心境と思考の変化の一つです。

日本のデザインを批判的に見るだけでなく、異文化の文脈へ沿うように接近するために、「短距離を短時間」で走りきるにはどうするかを、もっとぼく自身も考えないといけないと思ったのです。試行錯誤は絶対必要なのですが、効率的「試行錯誤」という道を探るという、かなり矛盾した表現に立ち向かうべきではないかと思い立ったのです。いや、正直で正確に言えば、そういうアプローチを自分なりに考えてきたつもりなのですが、もっとスピードアップが要求される状況に陥ったと言うべきなのでしょう。日本の凋落への危機を目の前にした時、もっと応急処置的なドラスティックな考え方を優先しないといけない。そういうことです。

ミラノサローネを約2週間前にひかえ、じょじょに頭をそちらの方にあわせていきます。過去に書いた自分の文章も読み返してみます。そうすると何かが見えてきそうな感がします。ネタは既にあり、再編成することが頭の準備ができ、それでサローネを自分の足で歩き回ると「これだ!」と膝をたたくシーンに出会うだろうという確信があります。人との出会いや読書などの経験がコップ一杯近くになったとき、自分の身体を物理的に揺らすと、一杯分のコンテンツがあるカタチになってきます。日経ビジネスオンラインの今週アップする記事も、先週、関空からミラノに戻る機内で書きました。約一ヶ月の日本滞在のコンテンツが旅を媒介にして、ロシアの上空あたりで、「こういうまとめ方をするといいんだな」と思い、急いでノートに手書きで原稿を書き始めました。チェコかオーストリーの上空でノートを閉じることができました。

今週、新しい文脈え過去の記事を整理していくことにします。まずは2008年のミラノサローネからスタートします。

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Category ミラノサローネ2011 | Author 安西 洋之