メトロクスのイタリアの旅ー2
Date:08/10/22
メトロクスは歴史からの評価を大事にします。それは必ずしも、あるブランドに寄りかかるということではありません。長く支持される良質のデザインを追求するということです。50-70年代のデザインを多く扱っていますが、今のデザインが駄目だというのではなく、時の試練に耐えうるとみれば積極的に取り組んでいきます。しかし、それには古いデザインを多数見慣れることが同時に必要であることを語っています。
先週、60-70年代に多数の新しいデザインを世に出してきた経営者と会いました。「私はいくつかの成功を手にしましたが、沢山の失敗もしました。今だから言えるのですが、このデザインなんかもそうです。プロトタイプでは大変良かったし、それをサローネに出展したらすごい数の注文が殺到したんです。そこで欲が出て、金型投資に金をかけて素材を安いものにした・・・それが失敗だったんです。予想のというか、投資回収の前提とした数の10分の1も売れませんでした。結局、この製品は数年の命でした」 今みても良いデザインです。しかし、ちょっとした戦略ミスで、あまり世では知られない製品となってしまったのです。
その後、この作品をデザインした当のデザイナーと会いました。彼は30年前には「なんで、これがこれしか売れないのだ!」とメーカーを随分と煽ったようですが、今はその理由が良く分かっているようでした。古いデザインを見るというのは、こういうことも含むわけです。ビジネスストリーをひっくるめて当時の全てを考えなおしてみるのです。下の写真は、このデザイナーのスタジオがあるビルのエレベーターです。120年前から使われており、毎日こういうエレベーターに乗るとどういう思いをもつものか、それは新しいエレベーターと日頃接するケースと明らかに異なってくるのも当然といえます。
このエレベーターがどんな建物のなかにあるか、それも見ておいたほうがいいでしょうから、その写真も掲載しておきます。








