2008 ミラノサローネ(12) 日本の現代美術
Date:08/4/2
2週間前の「2008年ミラノサローネ」で、ナポリのギャラリーにて発表された作品をご紹介しました。(10)で批評家やコレクターなどからも、大変評価が高かったとも書きました。 少々後日談をお知らせしましょう。欧州のコンテンポラリーアートのある研究者が、ギャラリーでこの作品をみて興味をもち、作家である廣瀬氏の過去の作品、それまでの批評や作家自身が書いた趣旨をギャラリーから取り寄せました。それらを、この方は丁寧に読んこんだようです。そこで作家の深みのあるコンセプトに更に強い関心をよせ、直接作家にコンタクトしてきました。

この研究者は、日本の現代美術の流れに造詣が深く、1950年代から70年代にあった具体やもの派の動きがある時にストップし、その後、日本画やサブカルチャーをベースとした作品が突然でてきたことに疑問をもっていたようです。もしかしたら、これらの作品が自分が知っている現代美術のコンテクストを汲んでいないことに、違和感があったのかもしれません。多様な読み方ができる作品の潜在力に、わが意を得たと思ったのかもしれません。そこは直接話していないぼくには詳しく分かりません。
ただ、少なくても、ある作品を理解してもらうには、その全体の文脈を説明してあげないといけない。特に文化の違う世界に住む人たちには、より包括的に「多分、ここのあたりが分かりにくいだろうな」と思う点に前もって回答を用意しておくといい。そういうことが、この例からも分かります。文化的アイコンを並べればそれでよしというのは失格です。
言葉に翻訳が必要なように、デザインもある種の翻訳作業が要求されるはずです。あなたがAと定義するものが、ヨーロッパ人にはBと定義されるものに対応するかもしれない。それなら、Aを紹介するときに、「これはあなた方の文化でBとされるものですね。なぜなら、私たちの文化は、こういうストラクチャーをもっているからです」と言葉を添えてあげないといけません。






