アイルランドで韓国ドラマを観る

昨晩は久しぶりに夜中の二時ごろまでJURA島のシングルモルトを飲みました。相手はダブリンから来たフレーザー・マッキム。沢山の話題のなかで、彼の高校生の娘さんが同級生たちと韓国ドラマに嵌っているというのは興味深い話です。彼女は日本にも旅したことがあり、日本文化にも関心が高く、英国の大学で日本研究をやろうかとも思っているくらいなのに、韓国人の同級生を通じてクラスの仲間のあいだで韓国ドラマに夢中になるのです。日本のドラマも見るけど、韓国の方がしっくりくると。全体としては決してメジャーではないのでしょうが、ネットで韓国ドラマを探して英語字幕で楽しむ。そうか、韓国ドラマはアジアの近隣地域だけでなく、西の端のアイルランドまでファンができているのか、と今更ながらにネットゆえの「ローカル文化の共有」の可能性を感じました

彼の奥さんはグラフィックデザインや心理学のバックグランドから、最近、デザインと文化についてのペーパーを書いたようです。あるデザイン製品が、例えば、ドイツからはこう見られ、フランスからはこう解釈され、スペインだとこうだ、と。ぼくの関わっているローカリゼーションマップそのもののテーマであり、ここでも文化の捉え方が重要になっていることを感じます。ぼくがたまたま知った、今夏、マレーシアでインターナショナリゼーションのカンフェランスがあることを話すと、「やはりね」と。このカンフェランスのテーマは、電子デバイスは西洋文化から生まれましたが、中国、韓国、日本というアジアが生産基地となって世界に発信している現在、これらの製品のインターフェースがどう「新しいシルクロードを作るか」です。

このカンフェランスにヒューマンインターフェースの研究者たちが多いことから想像できるように、文化的観点からの問題提起はインターフェースの領域で一番敏感です。何度も書いているように、文化とはロジックであり、インターフェースはそのロジックがキーになっているからです。ですから、他の日用品などの分野においてローカリゼーションを考えるにあたり、インターフェースにおける文化の見方をおさえておくことは大事だと思います。ぼくが考えているのは、最左翼にインターフェースの分析があり、最右翼に食を論じることが全体を見渡すによいポジションではないかということです。多くの製品群は、これら2つのカテゴリーを起点にその差分をみていったらどうかと思います。

このように、ある分野では文化差がなくなるように見えるからこそ、そこにある文化的な差異によりセンシティブになる。だからこそ、アイルランドのTV局であれば決して放映しないであろう韓国ドラマをネット上でみる。この流れから何か見えそうだ・・・・そんなことを想いました。ふと気づいたら、ローカリゼーションマップという構想を思いつき、ブログに書いてから1年がたっていました。下記、1月14日のブログが出発点でした。

http://milano.metrocs.jp/archives/2755

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Category ローカリゼーションマップ | Author 安西 洋之

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  1. [...] This post was mentioned on Twitter by TetsutaroNakabayashi, 安西洋之. 安西洋之 said: ある分野では文化差がなくなるように見えるからこそ、そこにある文化的な差異によりセンシティブになる。だから [...]