見せる場所を考える

先週のミラノはファッションウィークでした。来年の春夏コレクションです。NY、パリと並び世界のモーダの中心地であるミラノは、そのために多数の人が世界中から集まります。ぼくも先週あるショーに出かけました。デザインといっても分野によって違い、ファッションの世界にいる人たちは一目で「ファッション関係」と分かる格好をしています。思うに工業デザイナーというのは比較的地味なファッションの人が多く、グラフィックのほうが派手な印象がありますが、ファッションはこれらとは全く違うカテゴリーです。ですから、「ああ、今、ファッションの世界にいるんだ」というのが、気分として感じやすいといえます。

さて、先週のショー見たショーでは途中、闖入者が入り、初めからやり直すというハプニングがありましたが、とても楽しめました。スペインのブランドだったのですが、スペインの古いイメージを再生させています。17世紀の絵画に出てくる女性の服装をモチーフにしているのです。プレスの女性と話していて面白いと思ったのは、マドリッドで発表したコレクションとミラノで今回発表したコレクションは若干違うということです。マドリッドではよりヨーロッパあるいはもっと広くグローバルということを意識したスタイルを見せ、ミラノではスペインらしさをアピールしたという点です。

以前、イケアを例にとりローカライゼーションについて語ったことがあります。スウェーデン国内ではスウェーデン性を薄め、国外ではスウェーデンを強調する手法です。ですから店内にはスウェーデンのサーモンを出すカフェがあり、レジを出た先にスウェーデンの食材を売る店舗があります。外国の人たちがスウェーデンの文化に触れて嬉しくなるというメカニズムを使うわけです。こうした工夫をファッションのコレクションでもみて、外国人のもつ生産国イメージの操作を上手く行うためにも、対象市場の文化はよく知らないといけないなと思います。

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Category さまざまなデザイン | Author 安西 洋之