トスカーナの露天風呂ー3

日本文化、イタリア文化、この二つがアレキサンダーの世界を変えたと書いてきましたが、女性との出会いも同様に重要です。’92年に結婚するファビエンは結婚前から、彼の自邸にあるオリーブ農園の収穫などをベルギーから手伝いにきていました。彼がミュンヘンで哲学の試験勉強をしている最中、彼女が収穫を一人で取り仕切ることもあり、こうした姿が彼に与えた影響を大きいようです。それまでの本から学ぶ世界に距離をもち、自分探しの哲学が色あせてみえてくる、そういう時期がきたようです。「あの頃から、ストレートにものごとを考えられるようになってきた」と彼も語ります。

<上:ファビエンがトスカーナの空気に馴染み始めてきた頃の姿>

<下:結婚前のファビエンとアレキサンダーが家の前でバイクに乗っているところ>

彼はトスカーナに拠点を移しはじめてから、自分の手をより動かすようになります。93年に母親が亡くなり遺産として邸宅と農園を継いでからは、何でも自分で作り始めます。この頃からオリーブオイルのビジネスをはじめるのですが、ボトルに貼るラベルやギフトボックスのデザインも自分でやりました。グラフィックデザインを勉強したわけでもないのに、非常に洗練されたデザインでぼくは驚きました。林のなかに何頭もの豚を飼い、適当な体重になると自分でピストルをもって殺し、皮をはいで生ハムを作っていきます。これがまた抜群に美味しいのです。

このように野生味溢れる人間になっていきながら、彼が慎重にコトを進めるタイプであることには変わりません。

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Category さまざまなデザイン, トスカーナの露天風呂 | Author 安西 洋之