「だから、どう」は自分で考える
Date:10/1/25

「だから、どうなの?」という問いがあります。「じゃあ、具体的にどうすれば、いいの?」という突っ込みです。ぼくの答えは、簡単です。
「それは君が自分で考えることだよ」
見方が大切です。どういう視点をもつかが重要なのです。多くの場合は、そこに至らずに頭をひねくり回すわけです。具体策の提示を他人に期待するという態度は、君が問題点をまだ把握できていないことを示しています。ある程度の理解ができてくると、他人の示唆だけで十分です。個々の問題の事情は君が一番分かっているのだから、君がどうすればよいかの結論を出すのがもっとも適当です。示唆の意味が分からない人は、そこまでです。残念ながら・・・・。
たとえば、ぼくが「ミラノサローネ2010」で書いていることは、示唆です。こういうコンセプトのこういう形状のこういう機能の作品を出すべきだ、ということは一切書いていません。だいたい、そんなことは期待されていないでしょう。いろいろな分野のいろいろな種類のプロジェクトを前に、一律なことが言えるのは、全体に適用できる示唆だけです。

ただ、示唆がどう重要なのか、それを分かるまでには、自分なりの経験が必要かもしれません。あることが分かるには、どうしても経なくてはいけない時の流れと、ある一定量の経験がないといけないということは事実で、ミラノの刃物専門店のロレンツィの紹介で書いた以下を思い出してください。
ここの従業員は全て男性で、店でお客さんの対応する人達は皆30代後半以上です。最低5-6年、倉庫でモノをよく知ってから初めて客の前に立たせてもらえ るのです。自分で商品に触り、知識を仕入れ、扱い商品に愛情を感じないで、どうしてお客さんの前に立てるのだ?というのです。刃物のよさを説明するのは難 しく、それこそスペック表があるわけではない。それでメッセージを伝えるには、長期間の下積み生活が必要です。5-6年というのは、やっと店に立てるとき であり、それなりの仕事ができるようになるのが15年程度。20年で一人前という世界です。
つまり、製品そのものの理解に時間がかかり、かついわば抽象性の高い製品であるということですが、それだけでなく、彼らの扱い商品点数はなんと1万5千点 にものぼるということもあるでしょう。セレクトショップとしては膨大な点数です。これを全てPC管理しているわけではなく、約半分しかデジタルデータ化し ていません。後は手書きです。それが「商品知識が身につく」コツだといいます。お客さんの要望を聞いて、ピンとくるには、商品と触れる絶対的な時間量が要 求されるのです。どの店員も一流ホテルのコンシェルジュのようなムードがあります。そして、お客さんもそれなりの年齢以上。「どうして、人生経験の乏しい 30代以下で良いモノを見極めることができるのか?」と言われたとき、ぼくもハッとしました。
つまり、分からないことは分からないと認識することが重要で、分からないのは君の能力の問題ではありません。「これは、時と経験で分かってくることではないか?」という勘がもてることが肝心なのです。更に言えば、そういう類のことー時と経験によって分かるだろうという勘ーの領域がよりフォーカスして目に目えてくればいいでしょう。







はじめまして。ピエモンテ在住のとみーと申します。
自動車デザイン業界に通訳からプランナーとしてかかわり、
結婚してここにきまして4年半になります。
いつも、興味深く読ませていただいております。
「なんでこうなっちゃうのかな?」
「なんでこうならないのかな?」
「どうしたらいいんだろう?」
とふとつぶやいてしまったのが、
3年目だったかと思いますが、
そこで、やっと、いつもしかめっ面の上司に、
いいこいいこ(!)をしてもらえたことを思い出しました。
「こうしたらいい!」というひらめきって、
本当にいろいろやってみて失敗して、
でも捨てないで勉強していると出てくるようになるものなのですよね。
甘えなのでしょうが、少しココロが落ち着きました。
人それぞれの成長があることも、学びつつある若輩者です。
この記事、ありがとうございました。
今後も先輩(勝手ですね)の仕事ぶり、覗かせてください!では!
ピエモンテの自動車デザインの世界にいるのですか。近いですね。距離的にも心理的にも精神的にも。
ここにも書いたように、これがどの程度の時間と経験があればできそうだと分かれば、プロジェクトをGOすべきかどうかの判断が比較的すばやくできるのですね。「この才能は絶対ない!」と確信して思えば、そう簡単には無駄なことに手は出さないですから。
いつでも気楽に後輩の特権(?)でコンタクトください。
コメントありがとうございました。