ミラノサローネの見方(番外編2)

ぼくは文化の問題について以下のように書きました。

http://tokyo.metropolitan.co.jp/anzai-history-23/471

「とても大きな時代潮流においても、より小さな消費者が直接使用する製品においても、そのどちらでも文化の重要性が高まっています。だからこそ、そういうトレンドのなかで、家具やデザイン商品への見方がどう変わっていくかに気配りすることが大切です」

これはどういうことかと言うと、ハイテクのユーザーインターフェースのデザインで馴染んだ目は、次にプロダクトデザインを見るときに 違った精度の目になっているということです。異文化経験が自国文化への見方の再編成を促すと同じことが発生するのです。こうしたことに対して、プロダクトデザイン側の人たちは案外無関心です。ヴァーチャル空間の感覚がリアル空間へ与える影響について語る割りに、プロダクトデザイン自身が経験すべき変質は、一部で使用される液晶画面のグラフィックデザインどまりだったりするのです。

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しかし、一度ローカライゼーションの便利さや楽さを享受した人たちが、 あらゆるモノやコトに、より多くを求めるようになるのは自然でしょう。最近、モンスターペアレンツという言葉が日本で使われています。子供の通う学校に異常なまでの過剰要求をする親たちのことですが、この現象の要因のひとつに、「消費者主義」があるとも言われています。このモンスターペアレンツとローカライゼーションを同次元に捉えることはしませんが、あらゆる要求は上昇することはあっても、下降線に切り替えるのは難しい一例にはなります。

文化変容がどのエレメントからどう変化していき、その変化が連鎖作用でどう他のエレメントを変えていくか、そしてそれぞれのプロセスにどれだけの時間を要するか、これは文化全体をみていかなと分かりません。個々のエレメントだけに目を向けていては無理で、全体のなかにある数々のエレメントの方向性を注視していくことが大事です。

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之