僕自身の歴史を話します(23)ー欧州文化に生きる

1990年周辺に東欧の大きな変革があり、そこで今まで隠れていた宗教や文化が前面に押し出されてきたという流れがあります。東の共産主義と西の資本主義の冷戦時代には、それらの要素が意図的になるべく目に付かないようにされていたのですが、ベルリンの壁が崩れることで、一斉に宗教や文化が後ろから押し出されてきたのです。これが文化を経済問題として考えなくてはいけない背景の一つになっています。そして一方、工業製品の次元についていうなら、これまでは製品の外観に機能が記され、例えばTVであれば、ON/OFFとチャンネルが分かれば事足りました。しかし、PCは違います。画面の中に入っていかないと、どういう機能があるのか分かりません。ケータイもそうです。つまり、製品の「抽象性」が高まっています。すると、そこの市場の人たちの頭の動きや常識をよく知らないと製品が機能しません。したがって、文化理解が必要になってきます。

とても大きな時代潮流においても、より小さな消費者が直接使用する製品においても、そのどちらでも文化の重要性が高まっています。だからこそ、そういうトレンドのなかで、家具やデザイン商品への見方がどう変わっていくかに気配りすることが大切です。と、ここまできたところで、この「僕自身の歴史を話します」を書こうと思いたった動機にやっと戻ります。下記です。

http://tokyo.metropolitan.co.jp/anzai-history-1/377

「たまたま、ビトッシのセラミック製品が欧州と日本の市場で評価の仕方が違うことを、東京にいるスタッフと話し合いました。欧州では「味がある」と見られる ことが、日本では「品質での問題」として受けられることがありますが、そのギャップを如何に解決していくかがテーマです」

実際にモノを見てみましょう。01は若干の割れ目が見える。02は表面に粘土が出ている。03は釉薬のついている部分とついていない部分が一定ではない。検品の段階で、こういう指摘が東京から出ました。これをどう判断すれば良いか。それについて話し合いました。

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Category さまざまなデザイン, 僕自身の歴史を話します | Author 安西 洋之