メトロクスの旅(4) GEDYとVALENTI(おまけにFIAT500)

トスカーナからミラノに戻ると、トリエンナーレのデザイン博物館や書店を眺め歩き、現在のデザイン動向がどこに位置するのかを考えます。さまざまな角度から距離感をはからないことには、焦点はあってこないものです。Frank O.Gehry の展覧会をみながら、これだけのコストを建築デザインにかける意味があるのだろうかと思ったり、で、本人は満足なんだろうかと考えたり・・・・。さて、翌日はGEDYです。浴室やトイレの商品を作っている大手メーカー。去年、「GEDYの営業担当の話」を書いたことがありますが、その輸出営業担当とはチアンチア(下の写真)です。

g2

そういえば、昨年、彼が語ったことは、B-LINEのボードィンが話していたことと似ています。コミュニケーションをどう図るがが第一で、「モノを売ろうとしない」姿勢が大事だ、と。

GEDYの営業は、モノを売ろうとしないことが肝心だと言います。まず新しい国に着いたら、その国の人たちに質問攻めをするそうです。遠来の客に自分たち の社会や文化を教えることは、誰でも気持ちよいことです。そうしてその国の人たちが質問に答えながら、GEDYを生む国の文化に興味を持ち始める、そのポ イントが「商売のスタート」になるというわけです。

ここも2009年はマイナスの売り上げでしたが、この10年、倍倍ゲームに近い勢いできたので、さほどの痛手ではないといいます。それより、東欧やロシアなどはガクンときましたが、インドや米国市場の開拓に可能性がでてきたようです。インドは国として新しい市場がでていますが、米国は意外です。約90カ国にモノを出してきて何故?と聞くと、「米国のミドルレベルは米国製信仰が強く、中国生産であっても米国社製であれば、バイアメリカンが効くので、今まで進出しなかった。しかし、この恐慌で対抗馬が撤退した一方、ハイレベルのマーケットを狙えるパートナーが見つかったんだ」と説明してくれます。

g1

メトロクスが扱うヒット商品、蓮池槇郎さんデザインのトイレブラシ「クッチョロ」は、包装もプラスチックになる予定ですが、片岡さんがその商品を手に持っているのが上の写真です。このあと、アッセンブリーと梱包の工場を見学しましたが、以前見たときより自動化が進んでおり、レベルの高い管理であることが確認できました。GEDYの次はヴァレンチ・ルーチェ訪問です。我々はここから、細江勲夫さんデザインのヘビスタジオペトラルチのピスティリーノなどを輸入しています。

v1

輸出担当はカプラです。この会社以前も照明器具メーカーで輸出を担当していた、根っからの「照明器具輸出マン」。「照明器具はできるだけ使用例を見せることが大事。そうしないと、ユーザーは、どう使っていいか分からない。壁にかけるのか、床においておくのか、はたまた天井につけるのか・・・」と力説します。

ag2

我々の道程は続きます。アンティークショップの倉庫にも入ります。メトロクスの扱う商品は基本的に新製品ですが、あるデザイナーの全体像をプレゼンするため、あるいはある時代の特徴を示すため、アンティーク商品も買い集めます。ここにいくと、下坪さんの態度と目つきがガラリと変わります。「メトロクスものだがり」で紹介しましたが、若き20代、一人でアティークの倉庫を訪ね歩く旅をしてきた彼は、こういう場所に入ると、獲物を狙うハンターのようなムードになるのです。普段は、こんな感じの笑顔なんですが、男の勝負どころで豹変する姿をみるというのはいいものです。

s1

その次の日、リナシェンテのデザインスーパーマーケットで売れ筋商品の選び方をみたり、モンテナポレーネにある刃物のセレクトショップ「ロレンツィ」を覗いたり・・・それにしても、このロレンツィの商品力と店員の出来には、いつもほとほと感心します。ここは、下坪さんが自ら語ったロレンツィの魅力で締めてみましょう

ぼくにとって最初のイタリアって、スーパーカーなんですよ。だから、その前のイタリアの巨匠は、ゾクゾクする相手なんです。で、全体的なことに話しを 戻すと、今もそれなりの種類の製品を扱っていますが、もっと豊富な品揃えにしていきたいし、そして、ミラノの刃物のロレンツィのように、小さいけど磨きが かかったものを増やしていきたいですね。

こういう方向があって、この数日の旅があった・・・ということが、お分かりいただけるでしょう。

最後におまけ・・・モンテナポレオーネにあるFIAT500の「鉢植え」は、アイデアとして抜群です。ここはクルマの締め出しなどを検討しているブランドショップ通りですが、そこに植栽された動かない沢山のクルマが駐車されている。多くの暗示がありますが、FIAT500のブランド構築には学ぶべき点が一杯あります。

mn2

mn1

このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

Category メトロクスのイタリアの旅 | Author 安西 洋之