2008 ミラノサローネ(44) 欧州文化ー3

「メインカルチャーへの敬意」です。メインはサブカルチャーに対応するものです。ハイカチャーと言っても良いでしょう。もともと大衆文化に対比して位置づけしますから、かつて大学の教養科目に入ってきたような哲学や純文学などが対象になります。ただ、ポップミュージックや漫画も大学での研究対象となってきている今、 全てがなし崩し的にメインカルチャーになった感もあります。いずれにせよ、こうしたメインカルチャーに対する敬意が残っていて、それがより日常生活に近いところで生きている。それが欧州文化だと思います。

ピエール・ポランはそうしたメインカルチャーは、20世紀に入り凋落の一途であったと語っていますが(会員限定のコンテンツで、ピエール・ポランのインタビューをお読みください)、21世紀の現在、19世紀的貴族文化を求めるわけにもいきません。メインカルチャーに若干の権威主義的な排他性があることは事実で、それに対する反逆的な動きもありましたが、上位にある文化を貶めないメカニズムが一方で強く働いているのが欧州なのです。以前、日本のコンテンポラリーアートとメインカルチャーとの繋がりに関心をもったイタリアの研究者のことを書きましたが、「メインカルチャーはそれをどう見るか?」という観点が参照されることが多いのです。

pb

サブカルチャーもメインカルチャーも何となく曖昧な線引きになりつつあるのは確かながら、でもメインカルチャーの吸引力が強くある。欧州のその特色を忘れていると、思わぬところからの至極全うな意見に戸惑うでしょう。サブカルチャー特有のちょっとしたお祭り騒ぎに、冷水をかけられた気になるかもしれません。ぼくは、メインカルチャーあってのサブカルチャーであり、サブカルチャーあってのメインカルチャーという二つのバランスはとても重要だと考えており、両方への目配りは大切だと思っています。

このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之