2008 ミラノサローネ(42) 欧州文化ー1

3月より続けてきた「2008 ミラノサローネ」ですが、まとめに入ります。このシリーズは欧州でデザインを発表し、欧州の人たちに受容されるために何に配慮すると良いかを書いてきました。「ミラノで発表された」という事実をもって日本市場へPRするという目的の発表は除外しています。それでは、欧州文化とは何をもって特徴づけられるのか、それについてぼくの意見を書いておこうと思います。何かの教科書に書いてあることではなく、ぼくの経験上からの言葉です。「連続性へのこだわり」「コンテクストの存在」「メインカルチャーへの敬意」「多様性の維持」 と昨日列挙しましたので、今日は「連続性へのこだわり」を説明します。

連続性とは、論理的連続性、地理的連続性、 時間的連続性、この三つを指します。まず論理的連続性、これは(3)で書いた「ヨーロッパの人たちは、パワーポイントではなく、まずワードでびっしりと文章を書くことが多いです。もちろん分野にもよります。あくまでも比ゆ的な話とし て読んでください。目の前に陳列されているのがプロトであれなんであれ、この文章に書いてあることを理解することがキーです」が該当します。道を覚えるのも、通りの名前を連続で水平に覚えていきます。日本人の多く、特に男性が鳥瞰的にゾーンで覚えるのとは違います。

地理的連続性、これは地続きであることを指します。 それにより、ある商品開発をするとき、少なくても近隣の数カ国の市場を同時に想定します。想定できるほどの、ある程度の文化的勘が働くのです。すなわち何も経験もないところに勘は働きませんから、近隣の人たちとの接触が何らかの形で経験があるということになります。イタリアであれば、ドイツ、オーストリー、スイス、フランス、これらの国の生活がおよそのところ、商品企画者かデザイナーの頭には入っています。

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時間的連続性、多くの石造りの建築が時代によって様式や意匠を変えるように、常に前の時代との接点があります。1950年代にボローニャという共産主義の強い都市で、「歴史遺産の保存は革新である」と都市計画者が宣言しました。それまで歴史尊重は右派的は考え方であるとみなされてきたのです。そして、これが、欧州の都市計画で先端的な考え方となりました。(27)で「新しいデザインは歴史との対話で生まれてこそ長く生きれるものとなります。過去の名作に勝たないといけないのです。そのためには、十分に考えるある程度の 時間が必要です。静かな空間でじっくりと過去と向き合い、新しいデザインと出会い、そして同時に色々な分野の文化潮流を俯瞰することです」と記しました。

次回は「コンテクストの存在」について書きます。

 

*(27)は実は二つあります。間違ってダブって番号を書いてしまいました。ここでの(27)は「トリエンナーレのデザインミュージアム」のほうです。

 

 

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之