2008 ミラノサローネ(39) 日本人のデザインー6

久しぶりにミラノサローネに来た建築家が興味深いことを言っていました。

「いままでイタリアの建築は、建材の使い方などでも非常に保守的で、ドイツやフランスで使っていても使わないことが多かった。耐久性に対する疑念や不安感がいつもつきまとう。その傾向は今も変わらないが、ガラスや鉄をより多く使うようになったのは確かだ。ボビザのミラノ工科大学やあの周辺の建築物をみていても、イタリア建築が軽さへ着実に進行しているのは確認できる。こういうのは市内を歩いているだけでは分からない。郊外の新しい建築を眺めてみないといけない。2015年の万博にむけて、どんどん新しい建物が増えていくので、ミラノ郊外は要注視だ」

「ミラノに入る高速道路でわざわざ傾けたビルをみたけど、最近、捩れや傾けた建物のプロジェクトが実に多い。あれはすごく金がかかる。お施主さんにもえらい負担だ。そんなにまでコストをかけて、ああいうフォルムにすることが、本当に良いことなのか、自信をもって『こうだ』 と言い難いと思うようになってきた」

「トリエンナーレのブックショップで現代アート関係の本をいろいろ眺めていて気づいたんだけど、中国アート の本がすごく多いのは分かるが、それらが中国人によって書かれた英語の本というのがすごい。日本アートの本は、日本人が書いた日本語の本の翻訳か、外国人が英語で書いた本、これらが圧倒的に多い。これではアート市場の規模も違ってくるわけだ」

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軽いことに価値観が移動している、本当に良いこととは何なのか断言しづらいことが多くなってきている。こういうことを建築家は最初の二つの例をあげて示唆しています。三つ目は日本の発信力の弱さを指摘しているわけですが、同時に、発信力次第では、混沌とした状況のなかで、あるポジションを作ることが可能とも考えられます。時代は変わることは変わります。しかし、ドイツやフランスとイタリアの建材の使い方が違うように、その変わり方とスピードには文化差があります。この見方をおさえたプレゼンをしないと、欧州の人たち、それもデザイナーではなくビジネスサイドの人たちの納得を得にくいということになります。

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之