2008 ミラノサローネ(35) フランシス・ベーコン

先月21日のブログ「2008 ミラノサローネ(27)」で王宮で開催されている未来派のジャコモ・バッラの作品について触れました。100年前のクルマは今のクルマよりずっと遅かったはずなのに、その時に感じたスピードに対する表現をみると、とてもスピードの絶対値が違っているようには見えないのです。感覚的な部分をどう表すかは、今の技術開発の要です。今後、デザインに求められる何らかのヒントがこの展覧会にはあると思いましたが、同時に隣で開催されている、具象絵画のフランシス・ベーコンの展覧会とも通じるものがあるとは、21日には考えていませんでした。

先週、アイルランド生まれで、英国の哲学者のフランシス・ベーコンの末裔であるこの画家の展覧会を見ました。抽象表現には寄らず具象にこだわり、しかし全てがデフォルメされている姿は、写真にはない自己のイメージを描き出しています。ボクシングのゲームを描く彼の頭のなかには、連続的な動きを如何に二次元に落とし込んでいくかの格闘があったことがわかります。技術的なロジックを突き詰めた先に何が出てくるか、いや、出していくか、それが現代のデザインの一つのテーマですが、その意味で、バッラとベーコンの二つの展覧会は色々なことを示唆してくれています。

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GWも終わり、ミラノサローネ関連のブログも色々と出てきました。帰国して即GW直前とあって皆さん、なかなかレポートを書けなかったのでしょう。お疲れ様です。サテリテに出展していたフーニオデザインの橋本潤さんのブログを読みました。橋本さんは、今回、優秀賞を受賞されたデザイナーですが、とてもきれいなデザインをされます。その橋本さんが、同じくサテリテに出展していた芹沢啓治さんの作品にシンパシーを感じると書いています。「なるほどなぁ」と思いました。お二人の作品を会場で拝見し、お二人とも話しました。芹沢さんとは2-3分という短い時間だったので、芹沢さんはぼくを覚えてないと思いますが、橋本さんとはもう少し長く話しました。

お二人とも、頭の柔らかい方だと思いました。それがデザインに出ていると感じたのです。ですから橋本さんが芹沢さんの作品に共感することに納得がいきました。それで芹沢さんのブログを読んでみました。ものすごい勢いで書いてます。「確かに展示会はお金がかかる。無駄金といわれればそうかもしれない。しかしながら、多くの来場者やメディア、メーカーと自分のブースで話すことによって得たものも少なからずある。ジョンさんのこうした話がきけたのも、この展示会のおかげである。デザインが戦略だとして、サテリテは戦略のひとつである。パフォーマンスは別として」とあります。

良い考え方だと思います。 イギリス人のデザイナーに「自分がいっしょに作りたいと思うプロダクトを特定の企業、作ってもらいたい企業にプレゼンをするのが効果的であること。(中略) 不特定多数を相手にしたデザインは、うつくしいかもしれないが、ビジネスにはなりにくいと いうこと。」というアドバイスを受けたとありますが、このような結論に至るには、まず自分自身がプロセスを踏んで、そう心から思うことが必要でしょう。やはりアウトプットありきです。そこから全てスタートします。

 

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之