2008 ミラノサローネ(32) 日本人のデザイン-1
Date:08/4/29
リナシェンテはミラノ大聖堂の横にある百貨店です。数年前、マネージメントが変わり、積極姿勢を表に出してきました。ブランドショップも精力的に揃えた風が伺えます。地階が食器などの雑貨売り場になっていますが、最近、ここの変化に驚きました。この数年間、この売り場の一角にはオリエンタル、それも特に和食器が並べられジャパニーズブームが盛り上がっていました。ところが、先週足を運ぶと、そのコーナーがなくなっていました。数種類、欧州味の和風モノが陳列しているだけでした。この百貨店を後にして他のショップをみても確認できたのは、和食器が動いていないということです。
もともと欧州で日本の陶磁器の市場が限られていることは周知のことです。JETROの「フランス における陶磁器製品の市場動向」レポートをみても明らかです。一種のマニア市場です。それにも関わらず、流通も商品企画のどちらもが和食ブームで足が浮ついて拡販に乗り出したが、ビジネスとして成立しないために歩を緩めたというのが今なのではないかと思います。外で寿司を食べるかもしれないけれど、自宅で和食を作る欧州人など稀なのでしょう。しかし、仮説3で書いたように、ことは陶磁器の商売だけでなく、日本人のデザイナーが表現するスタイルそのものが、ミニマリスト的にとらえられ、どうも見飽きられてきたという印象をもちました。実際、そう語る欧州人がぼくの周囲でも何人かいます。

デザイナーは通常、創作活動をするときに自分が何人であるかさほど考えないでしょう。でも、どうしても出てくる日本人らしさがあります。約30-40年間、欧州で活躍している日本人のデザイナーや建築家に「『日本人らしいね』と言われますか?」と聞くと、「どうも、ぼくはそう思っていなくても、どこかに出るらしいね」と一様に答えが返ってきます。どこか軽い質感や空間を作る。欧州人も軽いことに価値をおき、そう表現するが、欧州人が40なら、日本人は意識しなくても35という軽さを表現してしまう。こういうことがあります。
この差である5の行き場をどう考えるか、です。






