2008 ミラノサローネ(28) World Design Capital 2008
Date:08/4/23
「ミラノデザインとイタリアデザイン」でイタリアの地域主義について触れました。ミラノのデザインについて「家具や雑貨は気楽でいいね」というのがトリノのデザイナーです。自動車産業のメッカであるトリノのカーデザイナーは、クルマのようにレギュレーションのないソファのデザインを「アイデアさえあればできるものね」という皮肉をこめて評します。ですからミラノサローネに対しても距離をおいてきました。
カーデザインの巨匠であるジュージャロも「クルマとその他のデザインは文化は違う」と語り、「クルマ以外の工業デザインもやってきたが、カフェマシーンをデザインするのも一台のクルマをデザインするのも労力は同じ。とするとクルマに注力せざるをえない。クルマ以外の仕事がオファーされれば拒否しないが、自分からアイデアをもって売り込むことはしない」と最近の新聞インタビューでも答えています。

そういうなかで、トリノが World Design Capital 2008で様々なイベントやコンフェランスを実施し、その一つのイベントとしてミラノデザインの十八番であるコンパッソ・ドーロのコレクションの展示と授賞を行うのは、実に興味深いです。このWorld Design Capital 2008 によってトリノがヨーロッパレベルのデザイン都市への飛躍を図ろうとするのは、もはやミラノだトリノだと反目しあっている時代ではない、とのイタリアデザインの危機意識のあらわれとも理解できます。
いずれにせよ、ミラノサローネを手探りで実感だけで見て回る時期ではないことは確かです。クラシック音楽や美術を鑑賞するに一定のレベルの知識と見方をマスターしないと本当に楽しめないのと同様、ミラノサローネについても同じことが言えるでしょう。






