2008 ミラノサローネ(26) ファッブリカ・デル・ヴァポーレ

ボビーザのトリエンナーレがミラノ工科大学と一緒にアートやデザインの発信地になろうとしていることは紹介しました。郊外に位置するため、もっとコアになるには少々時間が必要かもしれませんが、2015年ミラノ万博の準備とともにいっそう注目を浴びてくるはずです。もう一つ、文化・産業インキュベーション施設として、記念墓地の横にあるFabbrica del vapore の存在も気になります。

ここはプロトタイプ製作工房、コンテンポラリーアートギャラリー、ダンス スタジオなどさまざまな会社や団体が入っており、やはりかつての工場跡を、再開発しています。2008ミラノサローネにおいても、フオーリサローネの一拠点です。ゆっくり動き出してきました。デザイナーやプランナーが目にしている文化トレンドを把握しておくと良いということを書きましたが、ここはその意味でフォローしておくべきポイントです。

以前、50年代以降、スカンジナビアからイタリアにデザインの中心がじょじょに移動したことを書きましたが、その時に、デザイン組織であるADIに触れました。これはデザイナーだけではなく、教育関係者、企業家、ジャーナリストなどが会員です。デザインが、非常に多層に渡って話題になるメカニズムが出来ているのです。そして欧州の文化的ストラクチャーとして、ハイカルチャーとローカルチャーのバランスと両者の回路について言及したように、ハイカルチャーをリファーしていく習慣や考え方があります。

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目の前にあるデザインが考え方として深いかどうかという問いかけをするとき、 それは作品を作ったデザイナーの個人的性格や素養もありますが、今まで述べたような社会的あるいは文化的な仕組みによる部分も大きいわけです。そういう点を理解すると、トルトーナのバールで疲れた足をなでているだけでは不十分であることがおのずと分かってくるはずです。

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之