2008 ミラノサローネ(25) 仮説3

イタリア人の作品に「どうして、こんな色が出せるのだろう」と思わず感じ入ってしまうように、日本人の作品は、欧州の人からはミニマリズム的なデザインであると見られがちです。本人がそうと意識していなくても、「すっきりとしていて日本的だね」と評価されやすいです。2008サローネのサテリテを歩きながら気づいたのは、日本人の表現するミニマリズム的デザインに、欧州人がかつてほど熱い視線を送っていないことです。

もちろん評価する人たちはたくさんいます。しかし、そこに以前ほどの熱さがないのです。彼らは見慣れたのでしょうか。これはぼくの感じたところなので、本当にそうなのかどうかは不明です。ですから仮説3です。70年代回帰ブームにあったミニマリズムが色あせてきたのと一緒に、日本的なクールさが欧州で受けにくくなってきたのだろうかとも思いました。2008ミラノサローネのサテリテで、賑やかでカラフルな遊びのあるスタンドの前に集まっている人たちの表情をみながら、こんなことを考えていました。

実は、この感想には伏線があります。トリエンナーレで行われている Guzzini Foodesign Made in Japan という和食器をテーマとした展覧会で、見ている人たちがいやに冷たく傍観しているなと思ったのです。モノに自ら一歩踏み込む空気がない、あるいは空気が動かない、このような印象をもちました。またデザイン振興会が主催している Japan Design 2008 でも同様な変化を肌で感じました。欧州を市場としてモノを売る場合、意識的に厚みやカラーを変えていないと、熱さを呼び起こせないだろうと思いました。

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トリエンナーレでフランスの家具業界団体が展覧会を行っています。ここの一つのセクションに「ピエール・ポランへのオマージュ」があり、ぼくはここで紹介されていたビデオをじっくりと見ました。フランスの多くのデザイナーがポランを目標にしていたことを語り、ポラン自身も自らの作品を、ぼくたちに彼の自宅で語ったように(上の写真、詳細は会員限定コンテンツで紹介しています)、語ります。2008ミラノサローネの会場を歩きながら、ポランのデザインの影響が如何に大きかったか、それがいまだに続いているのではないか、そんなことにも思いがいきました。

 

 

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之