2008 ミラノサローネ(24) 仮説2
Date:08/4/18
昨年のサローネ期間、王宮では20世紀の各時代のアートとインテリアデザインをテーマとした展覧会を実施しました。昨日、トリエンナーレで室内コンセントのbticinoが各時代のインテリアと自社製品の変遷を展示しているのを見て、昨年の王宮での企画の影響かなと思いました。その後、分館であるボビーザのトリエンナーレにおいて、TDKが全く同じ手法でテープ、DVD、ブルーレイへの移行をプレゼンしているのをみつけ、もう一つのことを考えました。
欧州は歴史を常に振り返ることを習慣としていますが、イタリアはその傾向が特に強く、歴史をステップアップのツールとして使います。ですから今年、カッシーナがデザイナーとその作品を展示して全貌をみせているのは全くの正統派なわけですが、bticinoやTDKがこの手法を取り入れているのは、2010年からの10年間の市場をとるための戦略的な過去の整理です。実にロジカルな発想です。歴史を如何に自分の味方につけるか、その競争が2008年から始まっていると思いました。これが仮説2です。

ボビーザのトリエンナーレは人も少なくやや寂しいです。10年以上前のトルトーナのようです。ザノッタのサッコの展覧会はなかなか面白いし、先に紹介したTDKも文化文脈に沿った企画をしており、ゆっくりものを考えながら時を過ごすにはよいでしょう。ボビーザはかつての工業地区を再開発し、デザインやアート発信の場と変貌しつつあるところです。
一方、カドルナのトリエンナーレはデザインミュージアムもできて人の往来が激しいです。ここでキャノンの展示をみていて、言葉が足りないなと思いました。屏風や襖絵をプリンターで再現しているセクションは良いのですが、実物のニット と背後にニットを撮影して拡大プリントした展示の面白さが分かりにくかったのです。そこには何の説明書きもありません。これは欧州人の考え方を分かっていない展示方法です。何度か書いているように、企画の趣旨を頭に入れないと納得しずらい人たちには、説明を示しておかないといけません。






