ミラノサローネ 2009(53) 日本で話すサローネ

先週木曜日の晩、東京に着きました。職人全員マスクをする戒厳令のような空港を駆け抜け赤坂見附のホテルに入り、雨の中を向かったのはラーメン屋。無性にラーメンだったのです、気持ちは。

翌日昼食、スペイン人と会ったのですが、彼が指定したのは麹町のイタリアレストラン。地下にあるそのレストラン、日本人のスタッフは誰もおらず、公式言語がイタリア語。日本人が「ボンジョルノ」と挨拶する場所は数知れず、しかし、日本語が通じないレストランとは、「またやるな~」と驚くやら感心するやら・・・。味はさすがで、イタリア色120%。

さて、夜は六本木ヒルズのヒルズアカデミーでのライブラリートーク。会員限定で70-80名の参加者だったのですが、デザイナーや建築家の方も参加者のなかにいるのは、話しながらだんだんとわかってきたのが楽しいです。ある部分で頷かれる、そこに共通しているものを感じます。「この方はデザイナーだろうな~」と思っていたら、後の名刺交換でそうと判明。もちろん、全員100%正解かどうかは分かりませんが・・・。話した内容は、このブログでも書いたことが多いのですが、ある結論を導くように話さないといけないだろうなと思い、その道筋の明確化に気を使いました。あまり説明過剰になると弁護的になるので、あるところは誤解される危険を承知のうえで強行突破(?)することにしました。

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要するに、自分が伝えたいことを伝えるに、どこからも「刺されない」ロジックというのもありえません。「刺されたとき」に追加説明するしかないだろうということです。それにしても、正直言うと、パワーポイントは嫌いです。何かパワーポイントに支配された感じで自由を失い、自分の言葉が先に来ないような気がするのです。原稿をなぞる、それは力を何か喪失するような気がします。でも、デザインで文化の話をするというのは、目でわかるからこそです。そこに意味があるので、画像ははずすわけにはいきません。バランスだなあと思います。それでも、抽象的な表現をまったく使わないということはできず、それをどう具体例にひとつひとつ置き換えていくか? それが課題だなと反省しました。

翌々日の日曜日、友人の「夜回り先生」水谷修さんの講演を聞きに行きました。実は初めてです。30年近くつきあってきて、彼の塾や学校での授業は聞いたことがありますが、彼が「夜回り先生」になってから、講演を聴いたことはなかったのです。年間3-400の講演を行っているだけあり、さすがにすべてがパーフェクトです。聴衆を引き込んでいくプロセスがぼくにもよく分かり、「うまいもんだなぁ」と思います。まったく原稿がないなかで、秒分単位でストリーが仕組まれているのが見えます。それで90分ジャストで終了。

講演の後、新宿で天ぷらをカウンターで食べながら、聞きました。「パワーポイントって使わないのですか?」と。「いや、使わない。あれを使うと、話に迫力がなくなり、ダイナミックに訴えることができなくなる。使ったとしても、ホワイトボードに字をちょっと書くだけ。それが教師というものだ」とバシッといわれ、教師じゃないぼくは、教師がとてもうらやましい存在に思えました・・・・。ぼくも、パワーポイントは必要な場所だけに限定する工夫をしていこうと思います。

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2009 | Author 安西 洋之