ミラノサローネ 2009(38) サローネの見方ー5

→ デザインばっかり見るな!

プロテスタントの国は食事が不味い、カトリックの国は美味い、そう言われます。言われなくても経験的に知っています。北ドイツや北欧で美味い食事もありますが、フランス、イタリア、スペインと比べて、「いや、やはり北ドイツの料理のほうが美味しい!」と主張する方は、これを読まなくて結構です。味覚に普遍性はありませんが、あまりに感覚が違いすぎる・・・。とにかく、カトリック文化圏で料理に見るべきもの多いのはなぜか?を考えるのは、文化の枠組みに興味をもち知っていくうえで重要な指標になるはずです。それから、モンテナポレーネ通り9番地の刃物のセレクトショップ「ロレンツィ(G. Lorenzi) 」について書いたことを思い出してください。どうして日本の刃物は切れ味が良いのか?盛り合わせで求められる繊細さの違い、厨房で全てカットするシステム(日本)とプラス食卓でカットするシステム(西洋)の違い。レストランでも料理だけでなく、道具を巡る文化の発達史を知るヒントが得られます。

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音楽を聴きに行くのもいいです。スカラ座でお洒落してオペラを観るのもいいですが、それだけではありません。オーケストラのゲネプロを見学するという手があります。何故、練習風景がいいのか? 「あれっ、このあたりすっきりしないなぁ、これでいいのだろうか」と思うパートを、指揮者が「駄目、駄目、ここは、そうじゃなくて・・・」と説明し、次に演奏するととても締まったりする。そういう現場を見るのがいいのです。あなたは「やっぱり、そうだったんだ。これは、ぼくの耳もまんざらじゃない」と思ったり、「そうか、そうなのか、それは発見だなぁ」と感心したりします。たとえ指揮者の言葉が分からなくても、実際に演奏される二種類の同じ音楽を比較すれば、ポイントが何なのかおよその見当はつきます。タキシードやドレスを着て演奏してみえる姿ではなく、GパンやTシャツを着て演奏する姿を眺めることは、単に外見上の違いだけでなく、音楽を作っていくリアリティに接することができます。完成されたレンダリングではなく、手書きのアイデアスケッチにエッセンスを見るのと似たところがあります

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→ どこでオーケストラのゲネプロを聴くか?

サローネの開催中、良い機会があります。4月23日(木曜日)の午前中です。スフォルツェスコ城に近いテアトロ・ダル・ヴェルメ(Teatro dal Verme - Via San Giovanni sul Muro, 20121 Milano - 上の写真はホール内です。場所の地図は一番下にのせておきます) で、その日の晩にやるコンサートのゲネプロが午前10時から行われます。ゲネプロは全て通しで演奏し、その後に、いくつかのパートだけをやり直すこともあるし、問題のあるポイントでストップさせてやり直しすることもあります。指揮者のやり方次第です。ある時、ドイツ人の指揮者が、モーツァルトを団員がイタリア的に自由に演奏するのを、どんどんやり直させ、見事にドイツ的になったことがあります。しかし、そのとき、イタリア人の団員たちの顔には「ウンザリ」という文字が・・・。表現で何を優先させるのかが分かる事例です。

23日の曲目は以下です。

ロッシーニ:ピアノのためのプレリュード・インオファンシフ

ハイドン:ピアノコンチェルト ニ長調

ヴィテッロ: モーツァルトの主題による夜想曲

モーツァルト: ピアノコンチェルト イ長調 K414

9時45分頃に着けば十分よい席が取れるでしょう。チケットはゲネプロのため僅か5ユーロ(約650円)です。

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Category ミラノサローネ2009 | Author 安西 洋之