2008 ミラノサローネ(11) モノとコト

人はモノではなくコトに関心が移動していると言われます。それも1970年代あたりを境に、じょじょにそうなってきたという見方をする人も少なくありません。こういう意見を聞くたびに、僕は「今までのモノ偏重が是正されてきている」という見方をすべきではないのかと思います。

例えば、ヴァーチャル空間の質が悪いと、その空間を囲むハード自身が如何に良いデザインであろうと、その商品全体のイメージは下がります。ナビと車の関係なども、そのひとつです。ヴァーチャル空間であるにせよ、ユーザーの前にあるのは空気だけでなく何らかのハードが存在します。何らかの体験型なコトにお金を使うにせよ、それを形づくるモノの質が問われるわけです。

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今、多くのモノデザイントレンドが、多機能から単機能へと動いています。モノがある特定のシーンを想定したある特定の人たちのためにデザインされます。このユーザーにはAという機能をつけ、あのユーザーにはBという機能をつけ統合させておけばいい、という流れとは逆です。

つまり、ユーザーが自分で世界を構築しやすいことが重要です。そういう意味でコト主導型を支えていると表現できもなくはないですが、コト主導型を時代のメインストリームと捉える考えの背景にそこはかとなく見える無理が僕には気になります。

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Category さまざまなデザイン, ミラノサローネ2008 | Author 安西 洋之